« 美術館に乾杯! ポンピドー・センター その二十一 | トップページ | 美術館に乾杯! ポンピドー・センター その二十三 »

2018.09.13

美術館に乾杯! ポンピドー・センター その二十二

Img_0001    クラインの‘青い時代の人体測定(ANT82)’(1960年)

Img レイスの‘メイド・イン・ジャパンーグランド・オダリスク’(1964年)

Img_0002     ニキ・ド・サンファルの‘花嫁’(1963年)

Img_0003     メサジュの‘槍’(1992~93年)

ヌーボー・レアリスムの象徴的な存在だったクライン(1928~1962)は柔道も強く講道館から6段をもらっている。34歳で亡くなったのは残念というほかないが、残した作品は今も強い磁力を放っている。

‘青い時代の人体測定(ANT82)’は公開パフォーマンスによって生まれた。裸の女性の身体に青の絵の具を塗りカンヴァスに押しつけてその跡を残す。中国の魚拓と同じことをやっている。その姿はぱっとみると横に並んだ赤ちゃんを連想するが、じつは大人の女性。これをみると金粉を体に塗った芸人を思い出す。

若いころアルマンの助手だったレイス(1936~)は代表作‘メイド・イン・ジャパンーグランドオ・ダリスク’でその名が知られた。アメリカでウォーホルがポップ・アートのトップランナーなら、フランスにはレイスがいるという感じ。ウォーホルが女優マリリン・モンローをモデルにしたのに対し、レイスはアングルの名画‘グランド・オダリスク’を引用する。

この裸婦の色使いはマティスを超えている。赤の背景に緑の肌。この色彩対比がピタッと嵌った。さらにこの絵にはおもしろいものが描き込まれている。オダリスクの頭上にはなんと蠅がいる。メトロポリタンにクリストゥスが描いた修道士の肖像があるが、ここにも蠅が枠の上にいる。レイスはこの絵を意識したのかもしれない。レイスに乾杯!

3年前、国立新美で回顧展が行われたニキ・ド・サンファル(1930~2002)。彼女は肝っ玉のすわった前衛ア―ティストで‘射撃絵画’という物騒な表現で一躍注目された。ティンゲリーやクラインからも影響をうけたが、‘花嫁’や‘出産’のような女性の根源的な存在を強烈に表現するオブジェをつくり続けた。

サンファルの再来ではないかと思わせるのがフランスのメサジュ(1943~)。日本にはじめて登場したのは2008年の森美でも回顧展。なぜこの展覧会に足を運んだのか忘れたが、予想外にその作品に嵌りめぐりあわせの良さをミューズに感謝したほど。ポンピドーの図録にも載っている‘槍’は勿論出品された。

|

« 美術館に乾杯! ポンピドー・センター その二十一 | トップページ | 美術館に乾杯! ポンピドー・センター その二十三 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/67165723

この記事へのトラックバック一覧です: 美術館に乾杯! ポンピドー・センター その二十二:

« 美術館に乾杯! ポンピドー・センター その二十一 | トップページ | 美術館に乾杯! ポンピドー・センター その二十三 »