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2018.09.05

美術館に乾杯! ポンピドー・センター その十四

Img_0002     マッソンの‘夏の愉しみ’(1934年)

Img_0003     マッタの‘無秩序の威力’(部分 1965年)

Img_0001     アルプの‘女性’(1927年)

Img     ジャコメッティの‘テーブル’(1933~69年)

シュルレアリストと生き物とのむすびつきにはいろいろある。例えば、ダリの精緻に描かれたシュール画にはよく蟻が登場する。漫画チックな描写がおもしろいミロはトカゲ、猫、犬、兎、牛などが大好き。これくらいいると小さな動物園ができる。そして、イメージの魔術師マグリットの絵によくでてくるのは鳩、鷲、フクロウといった鳥。

マッソン(1896~1987)の‘夏の愉しみ’で主役をつとめるのはカマキリ。30代の後半マッソンはフランスとスペインを行き来していてスペインのカタルーニャ地方に家をもっていた。そこで熱心に昆虫を観察した体験をもとに描かれたのがカマキリの雌が交尾の最中に雄の頭を食べるという奇妙な行動。こんな絵をみるとシュルレアリストがみせる跳んだ発想は純な子どもの好奇心がもとになっているのかもしれない。

チリ出身のマッタ(1911~2002)は若い頃建築をめざしていたのでスケールの大きな画面をつかって複雑に交錯した構築物がつくりだす不思議な空間を表現している。‘無秩序の威力’は10mちかい超大作で1963年にフランコ政権下で処刑された共産党の指導者に捧げられた。

前衛芸術をあれこれ吸収した彫刻家のアルプ(1886~1966)は1920年代末のパリ時代にレリーフ作品を制作した。‘女性’は顔のつくりかたがユーモラスでじっとながめてしまう。目や口の形に木と切り抜き着色して板に張り付けている。後に取り組む立体の彫刻でもその前衛性を感じさせない柔らかい造形は観る者の心をほぐしてくれた。

体の一部が切断され別々になった状態を描写する画家ですぐ思いつくのはシャガール、ポンピドーにも首が宙を舞う作品がある。彫刻家のジャコメッティがシュルレアリスムの影響を受けてつくったのが‘テーブル’、ヴェールを被った女性の頭部の横に切られた手が無造作におかれている。一瞬ドキッとする。夜これをみたら眠れなくなりそう。

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