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2018.09.04

美術館に乾杯! ポンピドー・センター その十三

Img     マグリットの‘二重の秘密’(1927年)

Img_0002     マン・レイの‘アングルのヴァイオリン’(1924年)

Img_0001     デルヴォーの‘アクロポリス’(1966年)

Img_0003     エルンストの‘最後の森’(1960~70年)

ポンピドーではマグリット(1898~1967)は3点楽しめる。足とブーツが一体化した‘赤いモデル’、首から上と両足がカットされた女性の裸体像が不気味におかれている‘夏の階段’、そして‘二重の秘密’。マグリットの作品はタイトルと絵のイメージがすぐには結びつかないので、名は忘れて絵のおもしろさに注目したほうがいい。

‘二重の秘密’は長くみていると画家の思いついたアイデアがわかる。男の顔から胸にかけての皮膚をガバッとはいで横に並べてみる。もちろん流れ出る血のしたたりはきれいのふいておく。二重の秘密といってもはぎとった顔のほうは何も秘密はない。問題ははぎとったところの内部。ここは秘密だらけ。筋肉の筋にそってたくさん鈴が流れ落ちている。この鈴はまったく意表をつく。

アメリカのマン・レイ(1890~1876)の最も有名な作品が‘アングルのヴァイオリン’、裸婦の背中を撮った写真だが、背中にヴァイオリンのf字孔が2つ描かれている。このf字孔はモデルを写真に撮ったあと黒のインクで塗ったのではなく、最初から肌に描いて撮影したもの。こういうアイデアを閃くのだからレイはバリバリの前衛写真家。アングルの‘ヴァルパンソンの浴女’に霊感を得たとはいえ、並みア―ティストなら体に直接記号を書き入れることは及びもつかない。

デ・キリコの形而上絵画から大きな影響を受けたデルヴォー(1897~1994)は97歳の長寿をまっとうするまでほとんど画風を変えなかった。‘アクロポリス’は69歳のときの作品、お馴染みのフランス人形のような半裸と全裸の女性が大勢おり、半裸の女性たちはあたりを照らす月のほうに向かって街路を静々と進んでいる。

マックス・エルンスト(1891~1976)の‘最後の森’は1953年アメリカからフランスに戻り地方の農家に移り住んだころの作品。エルンストが生まれたドイツの森を歩いたことがないが、森の奥深くまで進むとそこはこの絵のような得体のしれない生き物や森の精霊がうごめく世界かもしれない、木の枝が絡み合い羊歯のような葉っぱや苔が地面に敷き詰められている光景はゾクッとするほど神秘的で冷や汗がでてきそう。

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