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2018.08.18

待望の‘藤田嗣治展’! その二

Img     ‘五人の裸婦’(1923年 東近美)

Img_0001  ‘フルール河岸 ノートル=ダム大聖堂’(1950年 ポンピドー)

Img_0002     ‘人形と少女’(1954年)

Img_0003     ‘礼拝’(1962~63年 パリ市立近美)

藤田嗣治(1886~1968)はパリで活躍した画家なのでその作品はフランスを中心にヨーロッパに多くあると思ってしまうが、どっこい日本の美術館や個人が結構もっている。今回出品されている絵画は全部で117点、そのうち96点が日本にあるもの。

日本の美術館で藤田の絵がすぐ思いだされるのは東近美、東芸大美、京近美、大原美、秋田の平野政吉コレクション、万代島美、ポーラ美といったところ。圧巻だったのは藤田の代名詞となった乳白色の裸婦が描かれた東近美の‘五人の裸婦’と大原の‘舞踏会の前’が隣り合わせで展示されていること。久しぶりにみたので感激した。

藤田の子どもの絵に大変魅了されているが、収穫の一枚があった。はじめてお目にかかる‘人形と少女’、子どもの絵はポーラ美が一手に引き受けていると思っていたが、こんないい絵を個人がもっていたとは。個人蔵ではもう一点、初期の肖像画‘座る女’にもKOされた。白い肌に浮かび上がる黒髪、黒い目、そして身につけた黒い衣装。この黒のインパクトにたじたじだった。

海外の美術館ではポンピドーの風景画‘フルール河岸 ノートル=ダム大聖堂’に思わず足がとまった。一瞬、ユトリロのパリの絵が頭をよぎる。だが、ユトリロとはちがい静けさよりは落ち着いたパリの街の居心地のよさが感じられる。ああー、パリが呼んでいる。

フランスに帰化した藤田が晩年に描いた‘礼拝’はヨーロッパの画家の描く宗教画とは明らかにちがっている。両側にいる修道士の藤田と修道女の君代の間を数羽の鳥が動き回っている。そして、聖母マリアの左手のところから右の肩にむかって小さく描かれた鳥が群れをなして飛んでいっている。また、右ではウサギが跳びはねている。聖母マリアがでてくる絵に鳥や生き物がこれほど目立つ絵はほとんどみない。

キリスト教へ改宗したとはいえ藤田は花鳥風月の心をもち続けており、横に並んでいる‘キリスト降架’でも画面下に草花がたくさん描きこまれている。藤田はやはり日本の画家。

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