« 美術館に乾杯! パリ ピカソ美 その一 | トップページ | 美術館に乾杯! パリ ピカソ美 その三 »

2018.08.15

美術館に乾杯! パリ ピカソ美 その二

Img_0002     ‘ドラ・マールの肖像’(1937年)

Img_0001     ‘読書’(1932年)

Img     ‘闘牛士の死’(1933年)

Img_0003     ‘磔刑’(1930年)

ピカソ(1881~1973)は作風をどんどん変えていく。これは天才に共通する特徴。絵を描く技術が高いところにあるものの強みで描きたいテーマやモチーフが変わればそれに合わせて全体のスタイルもガラッと変える。そのため、多視点からモチーフをとらえ画面を構成するキュビスムという革命的な画法だけでピカソをみているとピカソの全体像が見えなくなる。

‘ゲルニカ’が描かれた年にピカソはハッとするほど明るい女性の肖像も仕上げている。‘ドラ・マールの肖像’、顔が二つあるのはキュビスム流だが、緑の髪や目、黄色の顔はマティスのフォーヴィスムと同じ。ギターとかマンドリンを描いた作品のように角々し直線だけが印象に残る抽象度の強いキュビスムとはちがい、この肖像画は人物表現がやわらかく直線の硬さを曲線がつつみこんでいる。お気に入りの一枚。

そして画面全体が円や曲線で支配されているのが‘読書’、両手がくにゃっと曲がり顔と乳房はお椀のような造形、丸い顔をじっとみていると岡本太郎の彫刻‘太陽の塔’がダブってくる。おそらく岡本太郎はピカソの絵を知っていたのだろう。

ピカソは闘牛が大好き、だから闘牛がいろいろ変奏して登場する。‘闘牛士の死’では闘牛の勝利に終わった。馬が長い首を大きく後ろにまげていななく姿は闘牛士の死の悲劇を物語っている。もう一点怖い牛をイメージさせる絵がある。この絵の2年後に制作されたエッチングの‘ミノタウロマキア’、ギリシャ神話にでてくる牛頭人身の怪物ミノタウロスはまさに闘牛そのもの。そして‘ゲルニカ’にもこの姿で登場する。

宗教画の定番の題材として古典画ではお馴染みなのが磔刑図、これがピカソの手にかかるとスペインの後輩ミロのシュルレアリスム絵画のようにちょっと漫画チックな絵になる。ピカソはダリよりミロのシュールさが気になったのかもしれない。

|

« 美術館に乾杯! パリ ピカソ美 その一 | トップページ | 美術館に乾杯! パリ ピカソ美 その三 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 美術館に乾杯! パリ ピカソ美 その二:

« 美術館に乾杯! パリ ピカソ美 その一 | トップページ | 美術館に乾杯! パリ ピカソ美 その三 »