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2018.08.21

美術館に乾杯! ギュスターブ・モロー美 その一

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Img     邸宅美術館のギュスターブ・モロー美

Img_0001    作品がぎっしり並ぶ展示室

Img_0002        ‘出現’(1876年)

Img_0003          ‘ユピテルとセメレー’(1896年)

西洋画家のなかには強烈なインパクトをもつ一枚の絵でその名が深く心に刻み込まれている画家がいる。すぐ思いつくのが‘叫び’で有名なノルウェーのムンク、そして、19世紀の象徴主義の画家モロー(1826~1898)もそのひとりかもしれない。彼が描いたのは宙を舞うヨハネの首。

モローの代表作‘出現’を知ったのは30年くらい前、裸身のサロメと切り落とされた洗礼者ヨハネの首がガチンコにらみ合っているこの絵を見たときの衝撃の大きさははマグニチュード8級、体が200)フリーズした。こういう絵は是非とも本物をみたい。その思いがだんだん大きくなり、その4年後の1991年に展示されているパリのギュスターブ・モロー美を訪問した。

かなり前のことだから、どういうルートで美術館にたどり着いたかはすっかり忘れている。この美術館はモローが住んでいた4階建ての私邸を美術館に向きに増改築したもの。3階までどの部屋も壁いっぱいに作品が飾られている。それほど大きくない部屋でこれほど多くのモローにかこまれるとモローとの距離は一気に縮まる。

また、水彩画や素描は壁や棚に収納されているパネルを引き出してみることができるので、時間をかければモローの画業全体をつかむことも可能。われわれはほかの美術館の予定があるため油彩画だけを楽しんだが、熱心にパネルをみている人が結構いた。

作品がたくさんあるためお目当ての‘出現’も特別扱いの展示にはなっておらず、あっさり対面したという感じ。サロメとヨハネの目がどちらもとても鋭く、次第に緊張感がましてくる。この絵に遭遇したことで後にR・シュトラウスのオペラ‘サロメ’にすぐ入りこめるようになった。文学、絵画、音楽の融合に絵画の力が強く作用した一例といえる。

モロー芸術の集大成となったのが最晩年の大作‘ユピテルとセメレー’、これもさらっと展示。ギリシャ神話に長く親しんでいるのでひとつ々の話がこういう風に精緻に絵画化されると画面の隅から隅まで夢中でみてしまう。絵の完成度としてはこれが最も高く、とくに視点が集中するのは装飾性豊かに描かれた女性の姿、数が多くその姿態は妖艶な美しさにつつまれている。一生忘れられない鑑賞体験となった。

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