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2018.07.14

美術館に乾杯! ティッセン・ボルネミッサ美 その二

Img     デューラーの‘博士たちの中のキリスト’(1506年)

Img_0001     ホルバインの‘ヘンリー8世’(1537年)

Img_0003     エル・グレコの‘受胎告知’(1576年)

Img_0002     カナレットの‘ヴェネツィアのサンマルコ広場’(1724年)

ドイツルネサンスのど真ん中にいたデューラー(1471~1528)はヴェネツィアへ行きイタリアで才能を輝かせていたダ・ヴィンチやヴェネツィア派の大親方ベリーニから多くのことを学んだ。天才は天才を知るといわれる通り、デューラーは先達たちの画法を貪欲に吸収し、独自の画風を生み出していく。

‘博士たちの中のキリスト’に登場する博士たちの表情にはダ・ヴィンチから刺激を受けた性格描写がみられ、また女性のような顔だちをした12歳のキリストにはどこかベリーニが描く静かな聖母の雰囲気を感じてしまう。こういう作品をみると絵画の歴史というのは画法の受け渡しによって新しいものが生まれてくることがよくわかる。

フランドル絵画やドイツのデューラーやホルバイン(1497~1543)が心を惹きつけてやまないのは対象の描写がおどろくほど精緻だから。人物であれば髪や肌のリアルな再現、そして金属や衣装の生地などの質感をそのまま感じさせる筆使いはまさに神業的。

ホルバインの‘ヘンリー8世’はじつは縦28cm、横20cmの小さな肖像画。だから、ホルバインに関心がないと見逃してしまう。でも、ホルバインの肖像画に心酔していると画面の大きさは気にならない。顔を画面に目いっぱい接近させると国王の豪華な衣裳が目に焼きつく。半端ではない特技をホルバインは持っていたからこそ、このアクの強い国宝の宮廷画家がつとめられた。

スペインのトレドへやって来る前ヴェネツィアでティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼから色彩表現を学んでいたエル・グレコ(1541~1614)、‘受胎告知’はイタリア時代に描かれたもの。床の奥にのびるモザイク模様は明らかにティントレットの影響。

イタリア観光でフィレンツとともに人気のあるヴェネツィア、この街でいつも大勢の人で賑わっているのがサン・マルコ広場、カナレット(1697~1768)はじつに見事な風景画を残した。ヴェネツィアは2010年に足を運んで以来、ご無沙汰している。旅先の優先順位に変化がなければ、数年後にはビバ!イタリアモードになりそうだが、果たして。

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