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2018.06.27

美術館に乾杯! プラド美 その五

Img_0002     ゴヤの‘着衣のマハ’(1805年)

Img_0003     ゴヤの‘オス―ナ公爵夫妻と子どもたち’(1788年)

Img  ‘1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での銃殺’(1814年)

Img_0001      ゴヤの‘わが子を食らうサトゥルヌス’(1821~23年)

プラドを訪れてベラスケスと同じくらい強い磁力を放っているのがゴヤ(1746~1828)、でかけるたびにゴヤだけが飾られている部屋にせっせと足を運んだので主要な作品はすべて目のなかに入れることができた。これもミューズのおかげ。感謝!

スペイン絵画というとすぐ思い浮かべるのはベラスケスの‘ラス・メニーナス’とゴヤの‘着衣のマハ’&‘裸のマハ’、この2枚のマハの物語がおもしろい。はじめに描かれたのは‘裸のマハ’、これを覆い隠すため5,6年後に‘着衣のマハ’が描くくわえられた。部屋の壁に仕掛けがしてあり、‘裸のマハ’をみているとき誰かがやって来たら、すぐ壁が回転して裏に飾られていた‘着衣のマハ’がでてくる。うまいことを感えついた。当時禁断の裸体画をみるためだから知恵がでる。裸のマハを楽しんでいたのは時の宰相ゴドイ。

ゴヤは子どもの絵がとくべつ上手い。お気に入りはメトロポリタンにある赤い衣装を着た男の子が紐でつないだかささぎで遊んでいる絵。この子同様、可愛くてたまらないのがオスーナ公爵夫妻と一緒にいる子どもたち。ここうした子ども画をみるとゴヤはなんて優しい男なんだと思う。

肖像画の名手、エル・グレコとベラスケスのDNAをしっかり受け継いだのもゴヤが天才たるゆえん。人物の内面をうつしとる冷静な目と高い描写力が肖像画の傑作を生みだした。こうした理知的な側面がある一方、激しく揺れる感情の高まりをそのまま画面にぶつけた作品もある。

息を呑むほど緊張感に包まれるのが‘1808年5月3日、マドリード、プリンシペ・ピオの丘での銃殺’、これはとても重い絵。光が強く当たる中央の両腕をあげた男の絶望的な表情が忘れられない。これはマネの‘マクシミリアン皇帝の処刑’を生み、ピカソの‘ゲルニカ’にも影響を与えている。ゴヤの反骨精神は半端ではない。

‘怖い絵’に必ずノミネートされるのが‘わが子を食らうサトゥルヌス’、暗い部屋でこれをみるとやはりゾクッとする。こういう絵を長くみていると夢にでてくるのでういつもほどほどにしてほかの絵に移動している。

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