北欧は楽し! オスロ ヴィーゲラン彫刻公園
ノルウェーの首都オスロではバスを降りて街中の名所スポットをめぐる時間はなく、車中から街の様子をながめながら王宮の北西にあるフログネル公園に向かった。
ここはノルウェーが生んだ偉大な彫刻家ヴィーゲラン(1869~1943)の彫刻作品がこれでもかというほど数多く飾られており、ヴィーゲランの野外美術館となっている。かなり前、BS2で世界の彫刻をテーマにした美術番組がありそこにこの公園がでてきた。だから、ほかの像は忘れたが片足を上げて怒って泣いている赤ちゃんの像‘おこりんぼう’は記憶に強く残っている。
これまでヨーロッパの美術館や教会を巡り、ミケランジェロ、ベルニーニ、ロダン、カノーヴァたちが卓越した技で彫りだしたすばらしい彫像をみてきたが、この北欧の旅で印象深い彫刻家が新たに2人加わった。コペンハーゲンでみたトーヴァルセンとノルウェー人のヴィーゲラン。
フログネル公園の設置されているヴィーゲランの彫刻群は全部でなんと212、これほど多くのしかも個性的な彫像に遭遇したのは生涯の喜びである。ミューズに感謝!最も有名な‘おこりんぼう’はブロンズ像で橋のまん中あたりの左側の欄干にある。じっとみているとレンブラントの‘ガニュメデスの略奪’が頭をかすめた。ヴィーゲランは鷲に化けたゼウスにさらわれ大泣きしおしっこをもらすガニュメデス赤ちゃんを意識したのだろうか。
公園に噴水があると心が和む。この噴水の中央では6人の巨人が大きな皿型の水盤を高く支え、まわりの手すりの上に20の樹木の彫刻が置かれている。テーマは‘生命の樹‘、この彫刻群によりヴィーゲランは人生の輪廻を表現している。
噴水の先に進むと高さ17mの‘モノトリック(一本石の柱’がみえてくる。この柱は121の人の像や群像がひとつの花崗岩の塊に彫られている。これは圧巻!ヴィーゲランの彫刻は本当にスゴイ、ロダンがぶっとびそう。
この公園のシンボルをとりかむように並ぶ36の像も一点々力強く、そしてはっとする造形美を感じるものも多い。そのひとつが‘女の背中に乗る少年と少女’、強く迫ってくるヴォリューム感が心を打つ。200%KOされたヴィーゲランに乾杯!
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