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2018.05.06

美術館に乾杯! フォッグ美 その五

Img     ブレイクの‘神の怒りから逃れるカイン’(1805年)

Img_0003     ロセッティの‘べアータ・ベアトリックス’(1871年)

Img_0001         バーン=ジョーンズの‘深海’(1887年)

Img_0002        ワッツの‘サー・ガラハッド’(1862年)

日本でウイリアム・ブレイク(1757~1827)の回顧展が開かれないかと長いこと念じているがいまだに実現しない。これに対し、ラファエロ前派についてはロセッティ(1828~1882)やミレイ(1829~1896)、バーン=ジョーンズ(1833~1898)で期待に応えてくれている。

Bunkamuraとかバーンジョーンズ展を行った三菱一号館美がブレイクで動いてくれると楽しみがますのだが。いつものことだが帆は高く掲げておきたい。ブレイクの絵はロンドンのテートブリテンで画集に載っている主要作品と遭遇したが、数が多いのでコンプリートにはまだ時間がかかる。

これを補完してくれているのがフォッグのコレクション、日本では8点が披露された。そのなかで思わず体がフリーズしたのが‘神の怒りから逃れるカイン’、これは水彩と黒インクで描かれたものだがテートには20年くらいあとテンペラで描かれた別ヴァージョンがある。

弟アベルに嫉妬して殺してしまった兄カインが両手で髪をかきむしりながら走り去ろうとする場面、はじめてこれをみたとき200%驚愕した。キリスト教徒ではないが西洋絵画とのつきあいが長いため聖書の物語はいろいろインプットされている。人類最初の殺人は嫉妬という感情のもつれから起きてしまった。

ロセッテイの‘べアート・ベアトリックス’はテートにある油彩の水彩レプリカ、描き方にちがいはあってもどちらも一度みたら忘れられなくなるほど深い絵。自殺した妻リジーの追悼のためにロセッティはダンテの理想の恋人ベアトリーチェにリジーの面影を重ね合わせている。

バーン=ジョーンズの‘深海’は人魚が水底で裸体の男性を抱きかかえている。日本にも鏑木清方の
官能的な雰囲気をたたえる人魚の絵があるが、こちらのほうがより人間くさく水泡の粒粒がリアルに表現されており深海のイメージがする。

ワッツ(1817~1904)というとテートにある‘希望’が思い浮かぶが、これまでみた作品は両手にとどいていない。そのため、フォッグの‘サー・ガラハッド’は記憶によく残っている。縦長のキャンバスいっぱいに騎士、ガラハッドと前足と頭だげの白い馬が描かれている。おもしろいのは馬、こんな形で登場する馬はみたことがない。

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