トーヴァルセン美術館
北欧には偉大な彫刻家が2人いる。コペンハーゲン生まれのトーヴァルセン(1770~1844)とオスロの公園に作品がどどっと飾られているノルウェーのヴィーゲラン(1869~1943)。
まずお目にかかったのがトーヴァルセン。この新古典主義の彫刻家については美術の本で作品を数点みただけで本物はまだ縁がない。そのため、コペンハーゲンの美術館めぐりではニュー・カールスベア美と国立美を最優先にし、時間があればトーヴァルセン美に寄るという作戦だった。
幸いなことに自由時間が5時間くらいあったのでここにも足を運ぶことができた。美術館は‘コウノトリの噴水’とニュー・カールスベア美の中間あたりにあり、運河沿いに建っている。その隣がクリスチャンボー宮殿。入館料は70デンマーククローネ(約1400円)。
トーヴァルセンは26歳のときローマに行き、古代ギリシャ、ローマの彫刻を学びイタリアのカノーヴァ(1757~1822)とともに新古典主義の彫刻家としてヨーロッパ中でおおいにもてはやされた。ローマの滞在は長く1838年、68歳のときコペンハーゲンに帰国した。
この美術館にはトーヴァルセンの作品がほとんどあり、回廊の壁や展示室に数多く飾られている。圧倒されるほど大きな人物像を息をのんでみていたが、一番のお目当ては画集でみた最高傑作‘金羊毛をもつイアソン’だから場所を聞いてそこに突進した。
ギリシャ神話の英雄物語はしっかり頭に入っているので、イアソンが危険をおかしてやっと手に入れた黄金の羊毛に目が釘付けになる。トーヴァルセンが20年以上を費やして完成させたこのイアソン像、これは一生の思い出。
‘ガニュメデスと鷲’にも魅了される。最高神デウスは美女だけでなく、美少年も大好き。狙いをつけたのはトロイアの若い羊飼い、鷲に姿を変えてかっさらい天上で神酒の酌をさせている。イアソンとガニュメデスは画集でよくみていたが、本物に遭遇するとは思ってもいなかった。コペンハーゲンに乾杯!
ほかではなんとも優雅な姿をした‘三美神’や威厳の漂う‘キリスト像’などに心が揺すぶられた。彫刻好きの隣の方も満足した様子。満ち足りた気分で退館し、最後の国立美へ向かった。
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コメント
北欧旅行でご一緒させていただいた西川です。コペンハーゲン(1)から楽しく読んでいます。コペンハーゲンでの自由時間5時間こけれだけの 動きをされてお疲れだったでしょう。
次の アップを楽しみにしています。
投稿: 西川 順二 | 2018.05.30 10:40
to 西川さん
旅行中はいろいろお世話になりました。今回の
北欧での感動は半年くらいもちそうです。
コペンハーゲンの美術館巡りはたっぷりあった
自由時間のおかげで存分に楽しめました。この
あと国立美と進み、それからハイライトの
フィヨルド、ムンクの‘叫び’などが続きます。
感動のフィヨルドやムンクの名画を皆さんと共有
できたことを心から喜んでいます。
続きにご期待下さい。
投稿: いづつや | 2018.05.30 16:27