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2018.04.07

美術館に乾杯! グッゲンハイム美 その九

Img     マレーヴィチの‘無題’(1916年)

Img_0001        リシツキーの‘無題’(1920年)

Img_0002     モホリ=ナジの‘AXL Ⅱ’(1927年)

Img_0003        モンドリアンの‘コンポジション1916’(1916年)

ヴァリエーションの多い抽象絵画のなかでロシアのマレーヴィチ(1878~1935)はシュプレマティスム(至高主義)と呼ばれる切れ味の鋭い表現でカンディンスキー(1866~1944)やモンドリアン(1877~1944)とともに抽象絵画の世界で大きな足跡を残した。

抽象絵画から受け取るイメージは鑑賞者の体験や感性でいろいろ変わる。‘無題’をはじめてみたとき、こんなフォルムなら真似できそうな気がしたが、いざ制作を開始したらすぐ行きずまるにちがいない。こういう幾何学模模様や細い線の組み合わせは大変難しい。最近は宇宙の話に夢中なので中心に緑、黒、青で描かれた変形の四角形はハッブル宇宙望遠鏡にみえ、そのまわりを人工衛星や小惑星が飛んでいる感じがする。

シュプレマティスムをさらに進化させたりシツキー(1890~1914)は背景に親指のような大きな曲線を引いて角々した形からでてくる固さをぐっとほぐしている。こういう構成になるまでには紙の上で何度となくユニットを動かし配置をいろいろ変えたはず。そうして心が安定する瞬間がくると制作は終了する。

ハンガリー生まれのモホリ=ナジ(1895~1946)の‘AXL Ⅱ’も宇宙のイメージが強く、太陽系の惑星の間をNASAから打ち上げられた探査機が連隊を組んで進んでいるようにみえる。垂直の線が時間を経過を示すように描かれるなど、幾何学模様をよく計算して構成するところは並みの画家にはない構想力が発揮されている。

モンドリアンは抽象絵画を目玉とする美術館ならどうしても揃えたい画家のひとり。グッゲンハイムにも‘コンポジション1916’などがある。このコンポジションはあの‘ブロードウエイブギウギ’(MoMA)の明快な黒の線で画面を縦横に区切っていく画風に移行する前段階の作品。十字と直線のパターンがやがてすっきりした線に変わっていく。

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