美術館に乾杯! MoMA その十六
ウォーホルに先駆けて日常ありふれたものを記号のようにして描いたジャスパー・ジョーンズ(1930~)はアメリカの現代アートの世界では大きな存在。今年、88歳になった。MoMAで楽しめるのは星条旗をどんと描いた‘旗’と同じく連作の標的シリーズ‘標的と4つの顔’、そして‘地図’。
日本の美術館でポロックやウォーホルの回顧展がこれまで開催されたので、いつか‘ジョーンズ展’も期待したいところだが、その可能性は難しそう。ホイットニー美にある‘3つの旗’をいつかこの目で、と思い続けている。なにかの拍子でこの美術館のコレクションがまた日本で公開されその目玉に星条旗が入っているとご機嫌なのだが、夢を見過ぎだろうか。
ロバート・インデイアナ(1928~)の代表作‘LOVE’は2015年NYを訪問したとき、街の一角に野外彫刻として設置されていた。夜だったので青と緑の背景に太く赤で書かれた‘LOVE’の文字が強烈なインパクトで浮かび上がっていた。この作品がTシャツにプリントされた‘I LOVE NY’を生み出したにちがいない。
ネオダダのジム・ダイン(1935~)の‘家財道具’はピカソのコラージュの進化形、木材、布、紙、プラスチック、、何でももってきてモノとモノの新しい関係性を表現する。意表をつく組み合わせが見る者の関心をひけば作品はアートになる。その人数が多いか少ないかは二の次。
ドイツの現代作家ジグマール・ポルケ(1941~2010)の‘山羊車’は写真や網点ドットを使ったユニークな作品。こんな大衆の生活が現代アートのなかにでてくると具象画をみているときのように肩の力が抜けホットする。これもピカソが新聞の一部を貼りつけ時代性をもたせたのと同じ発想。
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