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2018.03.04

美術館に乾杯! MoMA その十一

Img_0003     マグリットの‘脅迫された暗殺者’(1926年)

Img     デルヴォーの‘月の位相’(1939年)

Img_0002     ラムの‘ジャングル’(1943年)

Img_0001     タンギーの‘時の家具’(1939年)

ベルギーのシュルレアリスト、マグリット(1898~1967)はダリやミロ同様、お気に入りの画家。3年前に国立新美で大規模な回顧展に遭遇したお蔭で今はぼちぼちと新規の作品と対面しようかという心境になっている。

過去の鑑賞体験で最も印象深いのはブリュッセルの王立美のコレクションだが、ポンピドーやMoMAでもマグリットならではの深刻でないシュール絵画を存分に楽しんできた。

4,5点あるMoMAで一番おもしろいのは‘脅迫される暗殺者’、まるで映画の一コマをみているよう。女性を殺した犯人はさっとと逃げればいいのに蓄音機から流れてくる音楽を聴いている。自分のしたことはみんなバレバレだというのに、、手前の部屋ではこん棒と網をもった2人の山高帽をかぶった男が捕まえるタイミングをはかっている。殺人の現場だが血の匂いがしないというのも妙な感じ。

マグリットがでてくればデルヴォー(1897~1994)にも登場してもらいたくなる。‘月の位相’は連作の一枚。人形のような大きな目をした裸の女性はデルヴォーの代名詞みたいなものだが、その人形顔からうまれる健康的なエロスのせいで心拍数は上がらない。この絵で月は三日月になっているが、メトロポリタン美に展示されていた‘セイレーン’では中央の同じ位置に満月が描かれていた。

両親からアフリカや中国の血を受け継いだラム(1902~1982)はキューバ生まれの画家。マドリードで美術を学んだあとパリに移りキュビスムやシュルレアリスムをとりいれアフリカの黒人彫刻を連想させる呪術的な作風を生み出した。その代表作が‘ジャングル’。人物の描き方はジャコメッティ的なところがあるがなぜか足がバカでかい。

タンギー(1900~1955)は‘深海の画家’、ここ数年深海に生息する魚や生き物の発見が相次ぎその不思議な姿に目が釘付けになるが、光がとどかない暗い海中の様子はまさにタンギーが描いた光景のように静寂につつまれている。タンギーは深海のイメージをどこからヒントを得たのだろうか。それとも、これは深海ではない別の場所なのだろうか。

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