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2018.02.06

美術館に乾杯! メトロポリタン美 その二十二

Img     ポロックの‘秋のリズム’(1950年)

Img_0003     デ・クーニングの‘屋根裏部屋’(1949年)

Img_0002     スティルの‘無題’(1947~48年)

Img_0004     バゼリッツの‘信仰の人’(1983年)

近代美術のコーナーは2カ所あり、ポロック(1912~1956)たちの大きな作品が飾ってあるのは2階左側の奥、印象派をみたあとこちらへ進む人はどのくらいいるだろうか。

わかりやすく心が落ち着く印象派にくらべると抽象的で難しい絵画はとても無理という方はここはパスするかもしれない。作風の大きな落差から生じる戸惑いが解消されるにはあるていど時間がかかる。それをすぎアメリカ人ア―ティストが生み出した大胆な絵画様式に目が慣れると、絵画の力みたいなものがつかめた気になる。

ポロックは抽象表現主義の象徴的な存在、その代表作が‘秋のリズム’、画面がバカでかく縦2.7m、横5.3mもある。その隅から隅までびっしり白と黒の絵の具のシミや飛び散った跡が広がっている。無意識に柔らかい絵の具についた絵筆をざざっと動かしたらこういう形になった、という感じ。即興演奏のようなものなのにここには不思議な調和やリズム感もある。でも、隣の方の感想はまったくちがう、‘鳩の糞みたいね’が口癖。

デ・クーニング(1904~1997)の‘屋根裏部屋’はタイトルを聞くと意外にイメージが膨らむ。描かれた線の曲がり具合や重なり方をじっとみていると狭い部屋のなかにたくさんの人物がいるようにみえてくる。顔がいくつかあり目、鼻、口がみえる。そしてのびた手足。こんな絵は白黒でないとダメ、色がついていたら頭がすぐパンクする。

スティル(1904~1980)の作風は黒が基調になっている。その造形の端はつねにギザギザ、そのため、かなりの緊張感を強いられる。‘無題’のように大きな画面になるとそのエネルギーはとても熱くうかつに近づけない。原始地球のドロドロしたパワーを連想してしまう。

バゼリッツ(1939~)は逆さま絵画と得意としたア―ティスト。‘信仰の人’は図版をひっくり返してみると確かに祈っている姿になる。人物の後ろ姿を描く画家はよくいる。マネもそうだし、ドガも裸婦を後ろから描いている。だが、上下を逆にするというのはシャガールくらいかなという印象。だから、このバゼリッツのアイデアにはハッとする。

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