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2018.02.03

美術館に乾杯! メトロポリタン美 その十九

Img     ピカソの‘ガートルード・スタインの肖像’(1906年)

Img_0001     ドンゲンの‘マリア’(1907~11年)

Img_0002     バルテュスの‘山’(1937年)

Img_0003     ホッパーの‘夜明けの灯台’(1929年)

アメリカでピカソ(1881~1973)というと、瞬間的にでてくるのはMoMAにある‘アヴィニョンの娘たち’(1907年)。これが美術の教科書に載っているキュビスムか、と息を呑んでみる。

では、同じNYの美術館、メトロポリタンには何があるか。ほかの作品は思い出せなくても‘ガートルード・スタインの肖像’は長く心にとどまっている。

はじめてこの絵をみたとき、男性の肖像と思った。じっとみているといや、女性だと気づく。描かれたのはキュビスムの時代がはじまる1年前。そのため、モデルの顔はアヴィニョンの娘たちのようにすこし角ばりキュビスム風になっている。

2015年12月に訪れたとき、収穫のバスケットに入る作品と遭遇した。フォーヴィスムのドンゲン(1877~1968)の‘マリア’、前々から関心の高い画家ではあるが、METでこんなすばらしい女性の肖像画がお目にかかれるとは思ってもいなかった。目のパッチリした色白のマリアには赤の衣服がよく似合う。

4年前に東京都美で大回顧展が開催されたバルテュス(1908~2001)、METからは‘夢見るテレーズ’、‘山のための習作’、‘ピエール・マティスの肖像’の3点が出品された。ここはバルテュスを多く所蔵しており、図録に載っている‘山’と‘暖炉の前の人物’、そしてかなり前日本にやって来た‘目を覚ましたテレーズ’と‘窓辺の少女’もある。

驚かされるのはアメリカ人コレクターのバルテュス好き、MoMAにも‘街路’など3点あり、ワシントンのハーシュホーン美やシカゴ美も所蔵している、これに個人のコレクションが加わると相当な数になる。前回幸運なことにに‘窓辺の少女’と出会ったので、残っているのはMoMAの‘アンドレ・ドランの肖像’だけになった。

ホッパー(1882~1967)の‘夜明けの灯台’はMETの至宝のひとつかもしれない。ホッパーというと‘夜ふかしをする人々’(シカゴ美)と灯台の絵で作品のイメージができあがっている。

この‘夜明けの灯台’で惹かれるのはまぶしいほどの光と明るい空、でもこの風景は静寂につつまれている。スーラの点描風景画も音は聞こえてこないが、ホッパーとちがって社会から孤立しているという感じはない。静寂にもいろいろある。

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