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2017.12.30

北斎 VS セザンヌ モネ!

Img_0003     北斎の‘富嶽三十六景 東海道程ヶ谷’

Img_0001 セザンヌの‘サント=ヴィクトワール山’(1887年 フィリップスコレクション)


Img     北斎の‘富嶽三十六景 駿州江尻’

Img_0002     モネの‘アンティーブ’(1888年 コートールド美)

最近は日曜美術館への関心が薄くなっているため、見るのは月に1回くらい。今月は‘HOKUSAIの衝撃’を熱心にみた。出演した解説者は西洋美の馬淵館長、現在行われている‘北斎とジャポニスム’(10/21~1/28)の仕掛け人である。

馬淵さんは印象派の専門家だから、西洋の画家たちに影響を与えたジャポニスムの関連で浮世絵にはとても詳しい。今回の展覧会では北斎(1760~1849)の‘富嶽三十六景’や‘北斎漫画’に刺激をうけて構図やモチーフの描き方を真似た西洋美術がどどっと登場した。

西洋の絵画や工芸、彫刻といろいろあるが、やはり関心が強いのが絵画への北斎の影響。これまでドガやロートレック、モネ、ゴッホ、ゴーギャンについては浮世絵の構図をヒントにした作品は明確にイメージできる。これはモノグラフなどからも情報は入っている。

ところが、セザンヌ(1839~1906)は例えば、‘サンク=ヴィクトワール山’のように北斎の‘東海道程ヶ谷’にでてくる松の木と富士山などがヒントになっていることは明らかなのに、セザンヌ本には自身が浮世絵から影響を受けたことを語るくだりはまったくでてこない。たぶん、セザンヌはモネやゴッホたちとはちがい、作品の独自性を意識するあまり浮世絵のことを口にしたくなかったのだろう。

一方、モネ(1840~1926)は浮世絵が好きでたまらないから、コレクションしている浮世絵師の作品から貪欲に構図や色彩を吸収していく。画面の中央にすこし傾いた木の幹をどーんとみせる‘アンティ―ブ’は北斎の目にみえない風を表現した傑作‘駿州江尻’をそっくりいただいている。モネはもちろんこの絵を描くにあたって北斎の絵だけではなく広重の前景にモチーフを大きく描く‘江戸名所百景’なども参考にしている。

モネの風景画はほかにも富士山を意識した‘コルサ―ス山’や北斎が得意とした波の描写を真似た‘ベル=イル海岸沖の嵐’も紹介されたが、こうした作品が並ぶと北斎がモネに与えた影響の大きさがわかる。質の高い展覧会をみせてくれた馬淵館長に拍手!

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