美術館に乾杯! フィラデルフィア美 その八
ピカビアの‘キャッチ・アズ・キャッチ・キャン’(1913年)
フィラデルフィア美の作品をみて感心するのは印象派だけでなく近現代絵画が大変充実していること。NYのMoMAやグッゲンハイムのコレクションが日本で数多く公開されたことや現地に足を運んだことが重なり、アメリカではこの2つの美術館とメトロポリタンに展示されているものが現代アートの美を心に植え付けてくれた。
そして、そうした作品の楽しみをさらに広げてくれたのが、シカゴ美、ワシントンのナショナルギャラリーとハーシュホン、フィラデルフィア美。ピカソやダリ、ポロック、ロスコ、、輝けるスターアーチストたちの作品が続々でてくる。本当にアメリカは美術大国!
フィラデルフィアにも思わず足がとまる抽象絵画の傑作がいくつもある。レジョ(1881~1955)の‘都会’とドローネー(1885~1941)の‘エッフェル塔’は隣り合わせで飾られている。必見リストに入れていたのは‘都会’のほうだが、ドローネーの代名詞となっているエッフェル塔に遭遇したのは大きな収穫だった。
日本で回顧展をみたのはレジェとクプカ(1871~1957)。名古屋で仕事をしているとき運よくであったのがククプカ展、そこに‘ニュートンの円盤’も出品されていた。だから、20年ぶりの再会となった。最近は宇宙の話に夢中だから、こういう銀河ワールドを連想させる作品には以前より2倍も3倍も反応する。
ダダとキュビスムを混合させた画風で知られるピカビア(1879~1953)、この作品のタイトルはレスリングのフリースタイルの名称。突拍子なイメージのいだきかたかもしれないが、ここに描かれた白や土色の細長い断片は大工がカンナで木材を削るときでる削りかすにみえてしょうがない。
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