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2017.09.30

期待を上回る‘鈴木春信展’!

Img_0002     ‘八つ橋の男女(見立八橋)’(1767年)

Img     ‘流れのほとりで菊をつかむ女(見立菊慈童)’(1765年)

Img_0001     ‘夕立’(1765年)

Img_0003     ‘風流江戸八景 両国橋夕照’(1768年)

千葉市美では現在、ボストン美所蔵による‘鈴木春信展’(9/6~10/23)が行われている。ここは15年前にも超一級の春信展をやり世の浮世絵好きを大いに楽しませてくれた。当時横浜にはいなかったが、幸運にも萩の浦上記念館に巡回してくれたので広島からクルマでかけつけた。

このときボストン美からは16点でてきたが、今回はこれらを含む90点ほどが里帰りした。ボストンにこれほど多くの鈴木春信(1725~1770)があったとは!ボストン、メトロポリタン、シカゴ、フィラデルフィア、アメリカのビッグな美術館には感心するほど質の高い浮世絵が揃っている。そして、それらが頻繁に日本で公開されるのだから嬉しくなる。

足がとまることたびたびなのでどれを選ぶか悩む。ポイントは色彩の鮮やかさとハッとする構図と描写、‘八つ橋の男女(見立八橋)’は画面をジグザグに曲がる八つ橋の造形的なおもしろさと鮮やかな黄色が目を釘づけにする。

‘見立菊慈童’は春信全作品のなかでベスト5に入れるほど気に入っている。春信は水の流れの描写が抜群に上手く、娘の前を流れる川にはミニ滝のような激しい流れができている。かわいい娘が醸し出すやわらかい雰囲気が自然の動的描写によってぴりっと締まる感じがする。

‘夕立’の荒々しさは春信のなかでは異色の作品。夕立が急にきたものだから、若い女性は大慌て、急いで洗濯物を取り込もうとするあまり下駄が脱げてしまった。よくある日常の光景をこれほど緊張感をもたせて表現するのだから、春信の画技はずぬけている。少女風の女性ばかり描いている絵師では決してない。

長くみていたのは‘風流江戸八景 両国橋夕照’、立っている女性に目をやると自然にその背景に描かれた富士山と沈む夕日にも視線が向かう。計算された構図のつくりかたに一本とられた。

なお、この春信展はこのあと次の美術館を巡回する。
★名古屋ボストン美   11/3~2018/1/21
★あべのハルカス美  4/24~6/24
★福岡市博        7/7~8/26

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