美術館に乾杯! ハーシュホーン美 その二
美術館のミュージアムショップへ行くと普通は収集品を載せた図録が並んでいるが、ここはどういうわけか図録をつくっていない。そのため、紹介できるのは手元にある美術本や展覧会の図録にでているものと展示室で写真撮影したものだけ。
ミロ(1893~1983)の‘サーカスの馬’は日本とワシントンで二回みる機会があった。2002年世田谷美であったミロ展はこれまで開かれた最も大規模な回顧展、TASCHEN本に載っている作品などがいくつもあったので目を輝かせてみた。ハーシュホーンという美術館の名前がインプットされたのはここに出品された‘サーカスの馬’と出会ったときだったような気がする。そして、2013年に再会したときは絵のサイズの記憶が消えていたから195×280㎝の大きさにちょっとのけぞった。
ミロの漫画チックでユーモラスなシュルレアリスムとはちがい、ダブルイメージや精緻な描写によって独自の画風を生み出し人々を謎めいた絵画空間に誘ったダリ(1904~1989)、スペインの巨匠スルバランの作品を引用して不気味な髑髏を登場させた‘スルバランの頭蓋骨’はBunkamuraの‘だまし絵展’でみたとき頭蓋骨の奇妙なつくりかたに200%感心させられた。
ハーシュホーンの誇る自慢のコレクションは昨日紹介したホッパーとポロック(1912~1956)の‘ポーリングのある構成Ⅱ’とロスコ(1903~1970)の‘No.9/No.24’かもしれない。ともにTASCHENに掲載されている。とくに心に強く残っているのは6年前にあったポロック展(東近美)でみた‘ポーリング’、ポロックはこの絵から抽象表現主義という新しい絵画を切り開きアート界の寵児になっていく。
今は宇宙の謎にどっぷり嵌っているので、宇宙創成期のころ星と星が衝突を繰り返しているようなイメージでこの絵をながめている。
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