« サイエンスの森! 大村智物語 | トップページ | ‘藤島武二展’で思わぬ出会いが! »

2017.08.11

サイエンスの森! ゲノム編集

Img

Img_0002ゲノム編集によって筋肉の量が2倍に増えたマダイ(右)(サイエンスZEROより)

Img_0003     ‘クリスパーキャス9’が目的の遺伝子を切ってくれる

Img_0001_2     シャルパンティエ博士(左)とダウドナ博士(右)

最近よく耳にする‘ゲノム編集’、関心はあっても知識が足りないため遺伝子組み換えと同じようなものなのだろうと思っていた。ところが、これは食料や医療の世界と大きく変える画期的な技術だった。

5月に見たEテレの‘サイエンスZERO ゲノム編集’(2週)で理解が進んだ勢いで、昨年7月に出版された‘ゲノム編集の衝撃’(NHK取材班 NHK出版)も購入して前のめりで読んだ。この本は2015年7月30日に放送された‘クローズアップ現代 いのちを変える新技術~ゲノム編集~’の取材班が執筆したもの。

2年前まだゲノムへの興味が薄かったためこの番組の情報はひっかからなかった。しかし、今はタンパク質の話に首を突っ込んだのでDNAに書き込まれた遺伝子情報やゲノムのことが頭に整理して入っている。こうなると、体内に特別の物質を注入し特定の遺伝子をハサミでちょん切るというマジックみたいな技術の話が理解できるようになる。

この技術の成果を表す例がいくつか紹介された。驚いたのは筋肉もりもりのマダイがでてきたこと。和歌山県白浜町で京大&近畿大はゲノム編集を使ってマダイの筋肉の量をアップさせる研究を行っている。筋肉の増加を抑えるミオスタシンというタンパク質が働かないように遺伝子を切ると、マダイの筋肉量が2倍になった。鯛の刺身が2人分とれるのだから、市場にでるようになったら関心も高まるだろう。

ゲノム編集は第三世代に入り2012年に‘クリスパーキャス9’という画期的な技術が発見された。これを考え出したのは2人の女性研究者。エマニュエル・シャルパンティエ博士(フランス人)とジェニファー・ダウドナ博士(アメリカ人)、ノーベル賞を受賞するのは間違いないと言われているが、‘クリスパー’という繰り返し現れる遺伝子配列を発見したのは30年前古細菌を研究していた日本の石野良純九大教授。だから、石野教授もノーベル賞に輝くかもしれない。

医療の現場ではがんや難病の治療の研究にこのゲノム編集がどんどん使われている。素人がみてもとても簡単な‘クリスパーキャス’を使えば、病気に苦しんでいる人たちを救えるのではと思ってしまう。中国系アメリカ人チャン博士は‘ゲノム編集によってがんは撲滅できる’と言い切っている。

ゲノム編集によって生まれた食料がすぐ食卓にのぼるかはこれまでの遺伝子組み換え食品のマイナスのイメージがあるのでそう簡単ではないだろうが、ゲノム編集の正しい理解が進むにつれ需要もふくらむことは十分予想される。そして、がんが撲滅されれば夢のような世界に生きることになる。ゲノム編集から目が離せない。

|

« サイエンスの森! 大村智物語 | トップページ | ‘藤島武二展’で思わぬ出会いが! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/65652651

この記事へのトラックバック一覧です: サイエンスの森! ゲノム編集:

« サイエンスの森! 大村智物語 | トップページ | ‘藤島武二展’で思わぬ出会いが! »