美術館に乾杯! ベルヴェデーレ宮 その三
ベルヴェデーレ宮殿のお目当てはクリムト・シーレだから、二人の作品をみると腹は満腹状態になるのだが、この宮殿には想定外のオマケががついてくる。これがなかなかいい。ウィーンにいながらパリの美術館にいるような気分にさせる作品が目の前に現れた。
2008年パリのグラン・パレで遭遇したクールベ(1819~1877)の大回顧展、おかげでクールベとの距離がぐっと縮まった。回顧展をみるまではクールベをみたのは2,3の美術館だけ。その限られた機会がベリヴェデーレにあった自画像の‘傷つきし者’、オルセーにもこれとよく似た別ヴァージョンがある。このポーズは一度みたら忘れられない。
マネ(1832~1883)の描いた女性の肖像画にルノワールと同じくらい魅了され続けているが、亡くなる3年前の仕上げた‘毛皮を着た婦人’も印象に強く残っている。一方、モネ(1840~1926)の肖像画はとても貴重、モデルはモネの知り合いのコック。
想定外の収穫のなかで最も高揚したのがゴッホ(1853~1890)の‘オーヴェールの野’、ここでゴッホの傑作がみれるとは思ってもみなかった。これはクリムトたちの分離派が1903年に開催したフランス絵画展に出品された作品。分離派は展示するだけでなくこの絵を購入しベルヴェデーレ宮の前身の国立近美ギャラリーに寄贈している。
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