美術館に乾杯! プティ・パレ美 その三
レンブラントの‘東洋風の衣装をまとった自画像’(1631年)
レンブラント(1606~1669)の‘東洋風の衣装をまとった自画像’はレンブラント本には必ず載っている初期の作品。2回目の訪問で追っかけリストの最上位に記していたのはこの25歳のときに描いた全身の自画像。貴族になりきって興味をもっていた東洋でお馴染みの衣装を着ている。
この絵を早くみたくて館内にいる人にすぐ展示してある場所を聞き急いだが、予想以上に時間がかかってしまった。そんな思い出があるのでに3年くらい前、森アーツセンターで開催されたレンブラントとフェルメール展にやって来たときは感慨深くながめていた。
ドラクロア(1798~1863)の‘ジャウールとパシャの戦い’も対面を長く待っていた一枚。ドラクロアの絵には体を大きくよじった馬がでてくるが、この絵に描かれた白と黒の馬が激しくぶつかり合う姿は息を呑むほど躍動感にあふれている。だから、馬に乗り剣を振りかざして戦うジャウール(左)とパシャ(右)より、中央にいる白い馬をみている時間のほうが長い。
今年の2月~5月に西洋美で行われたシャセリオー展にプティ・パレ蔵の‘東方三博士の礼拝’が出品されていた。これはシャセリオーが37歳で亡くなった年に描かれたもの。この画家はまさに早熟の天才、16歳で描いた自画像をみるとつい‘嘘だろう、この年でこんなに上手くかけるの!?’とつぶやいてしまう。
昨年、上野の森美であったデトロイト美展にルドン(1840~1916)の‘霊を宿す蝶’が飾ってあった。カラリスト、ルドンの作品を1点でも多くみたいと願っているので、日本で回顧展が企画されることを強く望んでいる。もし実現すれば‘ヴィーナスの誕生’にまた会えるかもしれない。
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