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2017.06.06

美術館に乾杯! パリ市立近代美 その三

Img_0003     マティスの‘ダンス’(1931~33年)

Img     ドローネーの‘パリの街’(1910~12年)

Img_0001     ドローネーの‘リズム’(1938年)

Img_0002     ブローネルの‘コングロメロス’(1944年)

1991年に最初の海外美術館めぐりをしたときは、今のように事前に必見リストをつくって美術館のなかに入っていったわけではない。追っかけたい作品に対面するというのではなく、画家の存在を知りその作品がどんなイメージのものかをみれば訪問の目的は十分達せられた。

美術鑑賞というのはとにかく視覚体験を数多く重ねることが大事。美術本に首をつっこむのはほどほどにして本物をみつづけていると、だんだんいい絵画の真髄がみえてくる。ビッグネームの描く作品だって確かにあまり感動しないものもあるが、並みの画家とちがうのはそこそこ名の通った美術館にはやはり驚くばかりの名画があること。

例えば、マティス(1869~1954)の‘ダンス’もそんなことを強く思う作品。後に続くマティス体験を振り返ってみると3つの大きな半円形に描かれた人体に出会ったことはエポック的な鑑賞だったといえる。マティスは晩年になるほどフォルムがスッキリし、色彩の組み合わせが心を打つ。ここでは灰色の肌を浮き上がらせる背景の薄ピンクと青と黒のコンビネーションが見事。

パリ生まれのドローネー(1885~1941)はこの美術館で名前を覚えた画家。初期の‘パリの街’はパリっ子ならではの作品、キュビスム風の構成で三美神がエッフェル塔やセーヌ河などパリの美しい街並みを賛美するかのように描かれている。

抽象画家ドローネーの真骨頂ともいえるのが円盤をモチーフにした‘円の形態’シリーズ。カンディンスキーの幾何学抽象画同様、この‘リズム’も完成度の高い傑作。円の組み合わせだから、この模様も手が届きそうな気がするが、そう簡単にはいかない。頭が相当柔らかくないとここまで到達しない。奥行き感にある円構造と生き生きした色彩の力に魅了されっぱなし。

異色のシュルレアリスト、ブローネル(1903~1966)の絵は南米の古代文明に登場する怪物かたどった陶器や人物画のイメージが重なる。1941年から描きはじめた‘コングロメロス’は大きな目をした不気味な人物が3人手足を絡ませている。緊張した面持ちでみていたことを思い出す。

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