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2017.05.16

美術館に乾杯! ブレラ美 その五

Img_0003     カラヴァッジョの‘エマオの晩餐’(1606年)

Img_0002    カラッチの‘井戸のそばのサマリア人’(1594年)

Img     グエルチーノの‘ハガルを離縁するアブラハム’(1660年代)

Img_0001     コルトーナの‘聖母子と洗礼者ヨハネ、聖人’(17世紀)

出かけた美術館にお気に入りの画家の作品が飾ってあると、どうしてもほかの美術館より好感度が高くなる。ブレラで忘れられない絵はカラヴァッジョ(1571~1610)の傑作‘エマオの晩餐’。

昨年西洋美で開かれたカラヴァッジョ展に出品された(2度目)ので、イケメンキリストを覚えておられる方も多いかもしれない。この絵は2つの点で心に深く刻まれている。ひとつは強い明暗表現によってキリストと弟子たちの感情の揺れがとらえられていること。部屋がこれだけ暗いと光があったキリストがいやおうなく浮きあがってくる。

そして、キリストの容貌が映画俳優を思わせるようにととのっていることもこの絵にのめりこませる理由になっている。このキャスティングでキリスト物語の映画が1本とれそう。カラヴァッジョに惹かれるのは宗教画なのにそこに描かれたキリストや聖母、弟子たちのモデルがみな当時生きていた素のままのイタリア人にみえるため、宗教的な堅苦しさがなく絵の中にすっと入っていけるから。

ボローニャ派のカラッチ(1560~1609)は古典絵画のある美術館では重要な画家のひとり。これまで紹介した中欧の美術館でも足をとまらせる名画があった。ここでは‘井戸のそばのサマリア人’がなかなかいい。カラッチの回顧展に遭遇すると嬉しいが今のところその兆候はない。

カラッチの弟子のなかで最も若かったグエルチーノ((1591~1669)の‘ハガルを離縁するアブラハム’もつい長くみてしまう作品。カラヴァッジョでもカラッチでも人物の手の描き方が絵の出来映えに大きな影響を与えている。物語の瞬間をドラマチックにとらえるのには視線と身振りの表現が大事なポイントであることがこういう絵をみるとよくわかる。

建築家としてローマバロックの隆盛に貢献したコルトーナ(1596~1669)は絵も描いているが、それらをまとまった形でみたのはローマのカピトリーニ美とバルベリーニ宮殿美のみ。ほかの美術館で画家としてのコルトーナに会えるのは限られており、ウィーン美術史美とブレラに1,2点あるくらい。だから、よく覚えている。

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