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2017.05.02

ブリューゲルの‘バベルの塔’に乾杯!

Imgブリューゲルの‘バベルの塔’(1568年頃 ロッテルダム ボイマンス美)

Img_0002     白い漆喰を下からあげて運ぶ作業

Img_0001     ボスの‘放浪者(行商人)’(1500年頃)

Img_0003     ボスの‘聖クリストフォロス’(1500年頃)

ついにやって来たブリューゲル(1526~1569)の‘バベルの塔’(4/18~7/2)をみるため喜び勇んで東京都美へ行った。ブリューゲルの絵がウィーンの美術史美などにあることは多くの西洋絵画ファンは知っているが、日本でブリューゲルをみる機会はほとんどないこともこれまたわかっている。

そんなブリューゲルのあの‘バベルの塔’がなんと24年ぶりに登場するというのだから夢みたいな話。この‘バベルの塔’、ブリューゲルに興味をもちだしたころから2つあることを知っている。ウィーン美術史美にある‘バベルの塔’は運よく2度お目にかかった。今回展示されているのはこれではなくオランダ、ロッテルダムにあるボイマンス美が所蔵する‘バベルの塔’。

ウィーンにあるものが1563年に描かれ、その5年後の1568年(亡くなる1年前)にボイマンスのものが仕上げられた。ボイマンス蔵は美術史美の約半分の大きさ。2つを比べてみるとサイズだけでなくいくつか違いがある。目の前にあるボイマンスヴァージョンで目を引きつけるのは塔の上部の左右に浮かぶ立体感のある雲。

この絵ではウィーンと比べ地平線が低くなっているため、この高層建築がどんと地上に建っているようにみえる。雲を塔の上ではなく上層階にかからせて描き塔の壮大さを強調している。図版でこの雲がずっと気になっていたが、本物と対面してバベルの塔がまさに天にもとどくほどの高さだったことを実感した。

この建設現場には1400人も描かれているそうだが、残念ながら単眼鏡をもってしても顔の表情などはまったくとらえられない。ただ、黒い点や白い点がみえるだけ。だが、画面の最も手前に描かれた塔の周囲の景観、そこの左半分をよくみると11人の男が確認できた。

この塔をどうやって建てていったのか、作業の様子がよくわかるのが左半分の各層にのびる白い部分。これは漆喰を滑車を使ったまきあげ機で上にあげているところ。おもしろいのは人々の体が漆喰で真っ白になっていること。

このあたりは東芸大によってつくられた拡大複製画や3DCG映像のおかげで詳細にわかるようになっている。これはGOOD JOB!図録を購入するとこの拡大複製画がついているのも気が利いている。そして、色で目立つのが頂上と左端の赤、これはレンガの色。

今回のボイマンス美のコレクション公開にはビッグなおまけがついている。なんとボス(1450~1516)が2点!昨年プラドであったボスの没後500年を記念した大回顧展にも出品された‘放浪者(行商人)’と‘聖クリストフォロス’。ここにも拡大パネルで描かれているモチーフが詳しく解説されているので、これをみながらながめると楽しみが増す。

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