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2017.05.12

美術館に乾杯! ブレラ美 その二

Img_2     マンテーニャの‘死せるキリスト’(1480年)

Img_0001_3     マンテーニャの‘聖母子と智天使の合唱’(1485年)

Img_0002     ティントレットの‘聖マルコの奇跡’(1562~66年)

Img_0003     ヴェロネーゼの‘キリストの洗礼と試練’(1582年)

絵画技法のひとつに短縮法というのがあるが、これと強く結びつく絵がブレラにある。マンテーニャ(1431~1506)の‘死せるキリスト’、この絵をみたくてブレラをめざしたといっても過言ではない。

驚かされるのは足をこちらに投げ出して横たわるキリスト。大きな足の裏側をみてそのまま視線を顔に移すとまさにキリストの死が生々しく伝わってくる。これが短縮法を用いたマンテーニャの狙いだったのか、という感じ。リアルに描かれていうのは人間キリストだけではなく横で嘆き悲しんでいる聖母、でも見慣れたマリアではない。なんとおばあちゃんマリア様。日本風にいうと‘年寄りの私より先に死ぬなんて、お前は親不孝者だよ’となる。

‘聖母子と智天使の合唱’はとても賑やかな絵、口を大きくあけて歌をうたい精いっぱい聖母と幼子キリストを讃える智天使(ケルビン)たちの姿が忘れられない。ベリーニといいマンテーニャといい、心を和ます聖母子が次々と現れる。

短縮法で見る者をギョッとさせたマンテーニャに対して、ヴェネツィア派のティントレット(1519~1594)が皆を驚かすために使った手法は消失点を中心からずらした遠近法。‘聖マルコの奇跡’ではその効果により劇的な場面が生み出されている。

左端で手を前に出し立っているのが聖マルコの亡霊、ヴェネツィアの人たちが守護聖人サン・マルコの死を悲しみ遺骸を墓所から引き出そうとしたとき、聖マルコが突然現れた場面が描かれている。ティントレットの魅力は空間を奥に長くみせる非対称の構図。頭のなかは相当柔らかい。

ヴェロネーゼ(1528~1588)の‘キリストの洗礼と試練’もティントレット同様見ごたえのある大作。一つのが画面にイエスの二つの物語が描かれている。左が洗礼を受けるところで、右が荒野で修業したあと悪魔に誘惑される場面。この絵はヴェロネーゼの上位リストに載せている傑作。

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