セザンヌの‘カード遊びをする男たち’!
バーンズコレクション蔵 1890~92年 134×181.5cm
メトロポリタン美蔵 1890~92年 65.4×81.9cm
コートールドコレクションが誇る自慢の絵画のひとつであるセザンヌ(1839~1906)の‘カード遊びをする男たち’を紹介したので、残り4つのヴァージョンも並べてみたい。
セザンヌは1890年から1892年にかけて‘カード遊びをする男たち’のシリーズに取り組み5点仕上げた。作品の順番ははっきりしているわけではないが、有力な説としては最初に描かれたのがバーンズコレクションにある3人のプレーヤーと傍で2人がみているもので、次がこの小さめヴァージョンのメトロポリタン美が所蔵するもの。
3番目に描かれたのが農夫2人しかいないオルセー美にあるもの、そしてその後が同じく2人のヴァージョンでコートールド美と中東のコレクターがもっているもの。
キャンバスのサイズを記したが、バーンズコレクションのものが最も大きい。その次に大きいのが中東にある2人プレーヤー、一番小さいのはオルセー蔵でバーンズコレクションの1/3くらい。また、コートールドのものは60×73cmと小さめサイズ。
1994年上野の西洋美にバーンズコレクションがやって来たとき、大きな感動をもたらしてくれた作品のひとつがセザンヌのこの‘カード遊びをする男たち’。画面にはカードに興じている3人の農夫のほかにそれをみているパイプをくわえた男と少女が描き込まれている。セザンヌの人物画がぐっとくるようになったのはこの絵をみたからかもしれない。
5点のうち縁がないのが現在中東のコレクターが所有しているもの。2013年、あるTV番組をみていたら‘高額絵画ベスト3’を話題にしていた。1位がこの‘カード遊びをする男たち’で金額はなんと246億円!、ちなみに2位はピカソの‘夢’ 153億円、3位はポロックの‘No.5 1948’ 138億円。
中東にあるヴァージョンを一度みてみたいが、その可能性はほとんどないだろう。だから、図版で楽しむことが続きそう。
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