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2017.03.01

日本橋高島屋の‘加山又造展’!

Img_0001     ‘淡月’(1996年 郷さくら美)

Img      ‘倣北宋水墨山水雪景’(1989年 多摩美大美)

Img_0002     ‘紅白梅’(1965年)

Img_0003     ‘迷える鹿’(1954年)

日本橋高島屋で開催中の‘加山又造展’(2/22~3/6)をみてきた。この展覧会の情報を得たのは2月に入ってから。今年は加山又造(1927~2004)が生まれて90年にあたる。高島屋はこれを記念して久しぶりの回顧展を企画してくれた。本当にエライ!

もう何回もしゃべっているからご存知かもしれないが、加山又造は一生付きあっていこうと思っている日本画家のひとり。過去に回顧展を3回体験した。今回は陶器や着物の絵付けなども含まれており、2009年国立新美であったときとよく似た構成になっている。作品は全部で70点ほど。

立ち尽くしてみていたのがはじめてお目にかかる‘淡月’、これまで加山が得意とする夜桜を何点かみたが、1982年に描かれた光ミュージアムにあるもの(今回出品)とその14年後に仕上げられたこの絵が双璧。月の位置が絶妙でもうすこし後対面していたら感激もひとしおだったろう。

多摩美にある‘倣北宋水墨山水雪景’は回顧展には欠かせない重要作品。画面は冷え冷えとしている感じで漆黒に浮き上がる奇岩の連なる山々や手前にあるトゲトゲしい細かい枝をつけた木をみると妖怪が棲む世界を覗きこんでいるような気分。

作域の広いのが加山又造の特徴。これは高い創作能力の証、やまと絵や琳派にみられる装飾的な意匠美に深く魅せられ宗達や光琳から刺激を受けた作品が生まれた。‘紅白梅’が今熱海の新装なったMOAに飾られている‘紅白梅図屏風’とコラボしているのを天国の光琳がみたら満面の笑みをうかべるにちがいない。

初期に数多く描いた動物の絵が11点でている。このあと向かった東博の‘春日大社展’といいつながりだったのが‘迷える鹿図’、よくみると5頭が重なるように連続的に描かれている。これは絵にスピードを持ち込んだイタリアの未来派の影響。

なお、展覧会は次の美術館を巡回する。
・瀬戸内市美 4/8~6/4
・新潟県近美 7/8~8/27
・横浜高島屋 8/30~9/10
・大阪高島屋 9/13~9/25
・京都高島屋 10/4~10/16

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コメント

百貨店の展覧会はつい忘れがちになるのですが、6日までという加山又造展のご報告を読んで、急いで行ってまいりました。

『淡月』は初見でしたが、すばらしかったです!無数の胡粉による桜の花びらにただ圧倒されました。

『紅白梅』は、光琳の『紅白梅図』が紅白梅を左右に配置しているのに対して、上下に配置にして(しかも幹は左上隅と右下の隅に置いて)、光琳作品を独自に再創造しているのは見事ですね。

『迷える鹿』など馬、鹿など動物の脚を四本以上描いている作品は、確かに未来派のバッラの犬の脚にも通じていて、面白いです。

『カワセミ』などいろいろな鳥を一羽ずつ描いた小品もとても魅力的でした。

いづつやさんのご報告を読まなかったら、たぶん今回の展覧会は見逃していました。ありがとうございました。 

投稿: ケンスケ | 2017.03.04 21:29

to ケンスケさん
加山又造の作品を全部みるのが夢ですが、一生の
つきあいですから、それに近いところまでいけ
そうな気がします。

今回はいい絵がたくさんありましたね。初見の
‘淡月’に魅了されました。また鳥などを描いた
小品が輝いてましたね。やっぱり加山又造は
すごいです。

投稿: いづつや | 2017.03.05 00:22

私は、3月1日にいってきました。
日本のこころの素晴らしさを、堪能できました。
常に挑戦し続けたすごさを感じました。
その挑戦がすべて成功してるすごさも・・・

投稿: Baroque | 2017.03.09 14:47

to Baroqueさん
加山又造の画力の高さをあらためて思い知り
ました。

ブリューゲルや未来派を洋画家以上に自分の
ものにするのですから、本当にすごいです。
そして、琳派や中国の水墨画も完璧に消化し、
独自の装飾性、神秘性を生み出す。
まさに天才ですね。

投稿: いづつや | 2017.03.09 23:21

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