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2017.03.07

美術館に乾杯! プラハ国立美 その五

Img_0001    アンリ・ルソーの‘私自身 肖像=風景’(1890年)

Img_0002     セザンヌの‘ジョワシャン・ギャスケの肖像’(1896年)

Img_0003   セザンヌの‘ジャズ・ド・ブーファンの邸宅と農家’(1887年)

Img     スーラの‘オンフルール港の船’(1886年)

プラハ美にあった作品で最大の収穫は古典絵画ではデューラーの‘ロザリオの祝祭’、そして近現代絵画でいうとやはりアンリ・ルソー(1844~1910)の‘私自身 肖像=風景’が忘れられない。

描かれた作品をコンプリートしたい画家はカラヴァッジョなど何人もいるが、ルソーもその一人。この自画像をみたのが追っかけのはじまりになったような気がする。ルソーの画集には必ず載っている絵をなかなか行けないプラハでみたのは小さな自慢であり、まだ見ぬ名画へ心を駆り立てる源にもなっている。

この絵が描かれたのはエッフェル塔が完成した1年後。背景に停泊する船のマストに各国の国旗がたなびくのは1889年にパリで開かれた万国博覧会を意識しているから。右の青空には気球が飛んでいる。この絵が印象深いのはガリバーみたいに大きな画家ルソーが黒の衣服を着ていることも一つの理由。

セザンヌ(1839~1906)の肖像画もよく記憶に残っている。ぱっとみるとこの男性モデルは50代以上にみえるが、じつは23歳の若者。ジョワシャン・ギャスケは詩人でセザンヌの友人の息子、セザンヌの絵を賞賛していた。セザンヌは気をよくしこの若い地方詩人を水彩画風の筆触で威厳をもたせた姿で描いた。

‘ジャズ・ド・ブーファンの邸宅と農家’も意お気に入りの風景画、垂直線と水平線でかっちり形づくられた建物はよくみるとちょっと傾いているが、こうやって画面を揺すぶるのはセザンヌ流の絵画創作、これが後のピカソやブラックのキュビスムにつながっていく。

想定外だったのがスーラ(1859~1891)の‘オンフルール港の船’、プラハで点描画に遭遇するとは思ってもいなかった。大きなオマケをもらった気分。

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コメント

プラハ国立美術館の19世紀の蒐集は、見事ですね! ブダペストの美術館のご紹介の時も感じましたが、プラハ、ブダペスト、ドレスデン、ベルリンを数年後に回りたくなってきました。一度には難しいでしょうが。(笑)

アンリ・ルソーの有名な『私自身 肖像=風景』は、画家自身が画面の遠近法の中では一人巨人のように描かれていて、そして左右の遠近法も違っていて、西洋絵画の伝統をまったく壊してしまっていますね。本当に子供が描きそうな不合理な空間ですが、いかにも新鮮で独自性に魅せられます。

ご紹介のセザンヌの『ジャズ・ド・ブ―ファンの邸宅と農家』は、右手前の家の描き方が特にキュービスムを先駆している感じがしますね。

スーラの『オンフルールの港』は画集で見たことがありますが、垂直線が強調された構図ですね。作品数の少ないスーラの名品まであるのは、当時彗眼のある蒐集家がいたからなのでしょう。

投稿: ケンスケ | 2017.03.14 21:41

to ケンスケさん
ルソーの自画像に会えたことはいい思い出です。
松本竣介がこの絵をまねて自画像を描いてますね。
自分を巨人のように表現するルソーの発想が奇抜
です。

スーラまで揃っているのが驚きです。近代絵画は
本当に質の高いコレクションです。

投稿: いづつや | 2017.03.15 00:06

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