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2017.02.07

美術館に乾杯! ドレスデン美 その六

Img_0001     レンブラントの‘サスキアを膝にのせた自画像’(1635年)

Img_0002     レンブラントの‘ガニュメデスの略奪’(1635年)

Img     フェルメールの‘窓辺で手紙を読む女’(1659年)

Img_0003     ホントホルストの‘歯医者’(1622年)

美術館に対する印象はそこでみた絵の感動がいろいろ重なり合ってできあがってくるが、ドレスデン美の場合、レンブラント(1606~1664)の思い出も心に強く残っている。

作品の数は全部で5,6点あったような気がする。そのなかの2点、‘サスキアを膝にのせた自画像’と‘ガニュメデスの略奪’が今でも忘れられない。どちらもレンブラントが絵の制作にあたって感情表現を強く意識していたことを表している作品。

‘サスキア’ではサスキアと結ばれて嬉しくてたまらないことを表現するためにレンブラントは構図をひと工夫している。杯をあげる自分をこちらに向かせて、みているわれわれを誘いこんでいる。‘俺さあー、いとしのサスキアちゃんと結婚しちゃったんだよ。毎日が楽しいし仕事にも熱がぐんとはいるんだ。ねえ、お酒一緒に飲まない’とでも言ってるのだろうか。

過去何度もとりあげてきた‘ガニュメデスの略奪’、可愛い坊やはゼウスが変身した大きな鷲におもらしするほど恐怖を感じて大泣きしている。これほど巧みに人間のリアルな感情をそのまま表現した絵があったろうか。この絵をみてレンブラントと一生つきあっていこうと思った。

ケンスケさんの話だと1974年にもドレスデン美名品展が開かれ、フェルメール(1632~1675)の‘窓辺で手紙を読む女’が出品されたようだ。このころはまだ美術館へ定期的に通う習慣はなかった。時が流れて2003年、この美術館を訪問したときはフェルメールにのめりこんでいた。

なんとここにはフェルメールが2点もあるので、入館するとわくわくしていた。ところが、‘取り持ち女’のほうはプラド?かどこかに貸し出し中、これは想定外。‘困るよなー、こういう美術館は1回しかこれないのだから’とつい愚痴りたくなる。

‘窓辺で手紙を読む女’の印象は女性はなにか感情を押し殺している感じでとても淋しくてせつない場面をみているようだった。時間があれば緻密な細部描写をじっくりみれたのだが、そうもいかずこんなイメージを目に刻み込んで絵の前を離れた。

ホントホルスト(1590~1656)はカラヴァッジョから大きな影響を受けたユトレヒト出身の画家、‘歯医者’は光の描写がラ・トゥールとダブるおもしろい絵だが、当時の歯医者は患者をこれほど乱暴に扱っていたとは!

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コメント

レンブラントは特別気にしているというわけではないのですが、このドレスデンのガニュメデスだけはとてもよく覚えています。このブログで以前紹介されたウィーンのコレッジョのガニュメデスと好対照ですね。コレッジョの方は上品に描かれている感じ、一方レンブラントの方はおっしゃるとおり「人間のリアルな感情をそのまま表現した絵」として素晴らしい出来だと思います。

フェルメールの取り持ち女はその大きさと赤や黄色の衣装が印象的な絵でした。ドレスデン美の2枚のフェルメールのうちでは、いかにもフェルメールらしい手紙を読む女よりも取り持ち女の方が、ちょっと異色な作品なので私には印象深く感じました。フェルメールといえばベルリン絵画館で真珠の首飾りの女を見たのですが、もう1枚のワイングラスの方を見落としてしまい、2日目に慌ててもう一度フェルメールの部屋へ直行しました。危なく見損なうところでした。

投稿: むろさん | 2017.02.08 00:28

to むろさん
‘ガニュメデスの略奪’に会ってからレンブラントの
絵は感情表現を中心にみるようになりました。

フェルメールの‘取り持ち女’を見逃したのはかえす
がえすも残念でなりません。フェルメールはコン
プリートにあと3点ですが、その一枚がベルリンに
ある‘紳士とワインを飲む女’です。そしてもう一点
はバッキンガムの‘音楽の稽古’。
その気になれば完成しそうですが、今はそれほど
こだわってません。

投稿: いづつや | 2017.02.08 01:03

2005年にも国立西洋美術館で『ドレスデン美術館展』がありましたが、いづつやさんは行かれましたか。

この時、レンブラントの『ガニュメデスの誘拐』とフェルメールの『窓辺で手紙を読む女』が出ていて、初めて両作品を実見しました。フェルメール作品は窓辺の女性を描く一連の作品の最初のものだったらしいですが、『取り持ち女』同様、初期作品の重厚な布地や、やや暗い画面が魅力です。

『ガニュメデスの誘拐』は修復を受けたばかりで鮮やかな色が印象的でした。

『サスキアを膝にのせた自画像』は、若いレンブラントの陽気な雰囲気が伝わってくる作品ですね!


投稿: ケンスケ | 2017.02.08 21:57

to ケンスケさん
ドレスデン美展はいそいそと出かけ、大泣きの
ガニュメデスと窓辺の女にも再会しました。

‘取り持ち女’と対面するのは難しそうです。
2度目のドレスデンはあったとしてもだいぶ先
になります。

投稿: いづつや | 2017.02.09 00:58

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