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2017.02.03

美術館に乾杯! ドレスデン美 その二

Img_0002     ジョルジョーネの‘眠れるヴィーナス’(1511年)

Img     マンテーニャの‘聖家族’(1485年)

Img_0001     ティツィアーノの‘白い衣装をつけた婦人の肖像’(1555年)

Img_0003       メッシーナの‘聖セバスティアヌス’(1476年)

ドレスデン美でラファエロの‘サン・シストの聖母’とともに最も有名な絵がジョルジョーネ(1476~1510)の‘眠れるヴィーナス’、ヴィーナス像をテーマにした画集には必ずでてくる絵なので唖然としてみてしまう。そして、ある絵を思い浮かべる。これがプラドにあるゴヤの‘裸のマハ’の原点か、と。

ジョルジョーネはこの絵を完成させないうちにペストで亡くなったため弟分のティツィアーノ(1485~1576)が仕上げた。後にティツィアーノもこれに刺激をうけて‘ウルビーノのヴィーナス’を描いたが、好みは断然ジョルジョーネのほう。

マンテーニャ(1431~1506)の‘聖家族’も記憶によく残っている。それはこの聖家族がほかの画家は描くものとずいぶん違っているから。ひとつは聖母子を中心に描かれた5人が画面いっぱいに描かれている点、もうひとつは聖母を除く4人はみな正面をむいていること。これはまさに家族写真。マンテーニャはカメラの登場を予見していたのだろうか。

ヴェネツィア派のなかで作品の数が最も多いのがティツィアーノ、お気に入りは無地の背景に浮かびあがる気品のある若い女性を描いた‘白い衣装をつけた婦人の肖像’、モデルは愛娘ともいわれている。ティツィアーノの原作をよく模写したルーベンスはこの肖像画も描いている。

海外の美術館に行くと杭に縛られて無数の弓矢を浴びた聖セバスティアヌスの絵にお目にかかることがあるが、ここにあるメッシーナ(1450~1479)が描いた聖人像は比較的体に突き刺さっている弓矢の数が少ない。そして、視線をひきつけるのが後ろの風景。縦長の画面に遠近法が使われているためかなり遠くまで建物が広がっている。

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コメント

最近こちらのブログでは日本の近代絵画を扱っていることが多くて、私がコメントを書く出番はなかったのですが、今回ウィーン美術史美術館とドレスデン絵画館がテーマなので、旅行の時の感動が蘇ってきました。もう4ヶ月以上経ったのに、まだ夢の中にいるような気がしています。
旅行の第一目的はベルリンでボッティチェリの聖セバスティアヌス、バルディ家の聖母などを見ること、そしてカラヴァッジョ、クリムトなどにも期待していました。コレッジョは今まであまり関心がなかったのですが、今回見た中ではドレスデンの聖ゲオルギウス、ウィーンのイオとガニュメデスが特に気に入りました。マンテーニャで良かったのはベルリンの聖母子。パルミジャニーノで良かったのは弓を削るキューピッドと凸面鏡の自画像。特にキューピッドの方はカラヴァッジョの勝ち誇るアモールと好対照の絵という印象を持ちました。バロック絵画はマニエリスムの難解さや人体の歪みを否定することから始まったはずなのに、結果として似たような絵が出来上がったことに面白さを感じています。ウィーンではクリムトの絵にかなり時間をかけましたが、最も良かったのは初期作品である美術史美術館の階段室の壁画のうち、正面の有名な絵(エジプトやアテナ神など)ではなく、向かって左奥にある裸のヴィーナスです。クリムトが最もボッティチェリに近づいた作品と思っています。ジョルジョーネ、ティツィアーノなどの健康的なヌードと比べ、何と艶めかしいことか!このヴィーナスには特に心を惹かれました。クリムトは若い頃からエロチックな絵がうまかったのですね。

<暖かくなりましたら、どっさりつめこまれた情報をさかなに一杯やりましょう。
いいですね。旅行の記憶が薄れないうちに是非お願いします。

投稿: むろさん | 2017.02.05 00:17

to むろさん
ベルリンにあるボッテイチェリは追っかけリストに
しっかり入ってます。よさそうですね。

クリムトはやはり絵がとびっきり上手いですね。
線がきれいで官能的な描写に魅了されます。まだ
みたいのがかなり残ってます。

3月以降お会いしましょう、むろさんのご都合で
いいですから連絡ください。

投稿: いづつや | 2017.02.05 18:36

『眠れるヴィ―ナス』は風景はティツィアーノが完成させたそうですが、ジョルジョーネとのコラボが不自然さを感じさせない出来栄えですね。横たわるヴィーナス像では、この作品が西洋絵画史上最高の作品ではないでしょうか。

マンテーニャの『聖家族』は、おっしゃるように家族写真そのものですね! マンテーニャの作品は比較的少ないですが、どれも考え抜かれた構図と、しっかりとした素描が根底にあって大変魅せられます。

アントネッロの『聖セバスアティヌス』は、しばらく前に洗浄・修復を受けたようで、今は空の青を初めとする色彩が見違えるように輝いているようです。マンテーニャの『聖家族』もそうですが、ルネサンス絵画の描かれた当初の色彩は、まばゆいばかりだったのでしょうね。

投稿: ケンスケ | 2017.02.05 20:25

to ケンスケさん
ジョルジョーネのヴィーナスは目をつぶっている
のがいいですね。これが西洋画における裸婦図の
原点ですから一生の思い出です。

マンテーニャの絵はハッとさせられたのでどの部屋
でみたか今でもよく覚えてます。
‘聖セバスティヌス’は修復されましたか、またみた
いですね。

投稿: いづつや | 2017.02.05 23:43

ベルリンのボッティチェリはこの他に聖母子と八天使のトンド、ジュリアーノの肖像、婦人の肖像(シモネッタ?)、ヴィーナス(以前来日した絵)、神曲挿絵がありますが、ジュリアーノとヴィーナスはロンドンへ出張中、神曲挿絵は通常非公開で見られませんでした。この他の画家で気に入った作品はファン・エイクの教会の聖母、フィリッポ・リッピの聖母子(フィレンツェのメディチ・リッカルディにあった絵)、クリヴェッリの鍵の聖母、マンテーニャの神殿奉献(義弟のジョヴァンニ・ベッリーニとほぼ同じ絵)、ルカ・シニョレッリのサン・タゴスティノ聖堂祭壇画両翼、ブリューゲルのネーデルランドの諺、ラファエロの初期聖母子(5点ぐらい)など。とにかく傑作が多いのでベルリン絵画館とウィーン美術史美術館へはそれぞれ2日間通いました。クリムトのヴィーナスは下記HP参照。クリックすると高精細の拡大画像が見られます。
http://www.klimt.com/en/gallery/early-works/klimt-khm-florentinische-renaissance-1890.ihtml

<3月以降お会いしましょう
私も2月、4月より3月の方が好都合です。よろしくお願いします。

投稿: むろさん | 2017.02.06 02:02

to むろさん
流石、ベルリン美ですね。気をひく作品があり
ますね。手持ちの画集で狙ってるのはブリューゲル
の‘ネーデルランドの諺’とボッティチェリの
‘バルディ祭壇画’です。

ベルリンとウイーンを2日連続ですか!羨ましい
ですね。情報満載のようですから、お会いするのが
楽しみです。

投稿: いづつや | 2017.02.06 23:46

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