« 美術館に乾杯! ミュンヘン アルテ・ピナコテーク その一 | トップページ | 美術館に乾杯! ミュンヘン アルテ・ピナコテーク その三 »

2017.02.13

美術館に乾杯! ミュンヘン アルテ・ピナコテーク その二

Img       ティツィアーノの‘茨の冠’(1572~76年)

Img_0001     ティントレットの‘ターロ川の戦い’(1578~79年)

Img_0004     ブリューゲルの‘怠け者の天国’(1567年)

Img_0002     ブリューゲルの‘農婦の頭部’(1568年)

ドイツや中欧の美術館へ出かけてもルーヴルに飾ってあるようなイタリアの画家の名画がみられるのだから、ヨーロッパで美術館巡りをすると喜びが絶えない。

ミュンヘンのアルテ・ピナコテークにもヴェネツィア派のティツィアーノ(1490~1576)やティントレット(1519~1594)のいい絵が並んでいる。ところが、今でこそこの二人の大ファンだが当時は似ているような名前のため、どちらがどちらやら区別がつかなったというのは正直なところ。

‘茨の冠’はルーヴルにあるティツィアーノが1542年に描いたものはしっかり目に焼き付いているのに最晩年に仕上げた別ヴァージョンはみたという実感がまったくない。ティントレットの‘ターロ川の戦い’も同じこと。縦2.7m、横4.2mの大画面に戦闘の場面が動きのある構図で力強く描かれているのだから少しは覚えていそうなのにこれもダメ。だから、リカバリーリストの第一候補にあげている。

イタリアの画家に対して、フランドル出身のブリューゲル(1525~1569)は‘バベルの塔’のおかげでその名は強く心に刻まれている。ここには2点ある。‘怠け者の天国’はブリューゲルお得意の寓意画。満腹になり寝そべっているのは右から時計まわりに聖職者、農民、騎士。働かなくても食べていけるのは現在でも理想の姿。世の中の多くの人は生きていく糧を得るために働いている。たとえその仕事が嫌でも辛くとも。

農民画家と呼ばれたブリューゲルの真骨頂ともいえるのが農民の顔を素のままアップで描いた小品‘農婦の頭部’。ヴェネツィア派がキリストや戦いを絵の題材にしているとき、ブリューゲルはこんな人々の暮らしが垣間見える風俗画を描いていた。

|

« 美術館に乾杯! ミュンヘン アルテ・ピナコテーク その一 | トップページ | 美術館に乾杯! ミュンヘン アルテ・ピナコテーク その三 »

コメント

ティツィアーノの『キリストの茨の冠』は、筆触と色がすごくいい傑作だと思います。以前は、ルーヴルのより早い時期の作品のほうが好きでしたが、今では晩年のティツィアーノの様式の方に惹かれます。年齢のせいでしょうか(笑)、渋い絵のよさがわかってきました。

ティツィアーノだけでなく、カラヴァッジョもレンブラントも晩年になると筆触が荒くなり、暗い色彩が内側から輝くようになりますが、三人の大画家が写実を越えて表現主義的になるのは面白いと思います。

ブリューゲルの『怠け者の天国』は、ユーモラスな作品で、微笑ましいです。日本では「カモがネギをしょってくる」と言いますが、この絵では「ブタ(の丸焼き)がナイフをしょってくる」ところですね。

投稿: ケンスケ | 2017.02.20 21:32

to ケンスケさん
画家は長生きをすると同じ作品でも表情が変わって
くるのは当然なのでしょうが、年相応の描き方が
でてきます。ティツィアーノの晩年はかなり筆触が
それこそ自由闊達になってきますね。

‘怠け者の天国’のようにいろいろな意味をこめた
モチーフがでてくると想像をかきたてられますが、
当時はそこまで細かく見てないので豚の登場も覚
えてません。

投稿: いづつや | 2017.02.21 00:41

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/64890285

この記事へのトラックバック一覧です: 美術館に乾杯! ミュンヘン アルテ・ピナコテーク その二:

« 美術館に乾杯! ミュンヘン アルテ・ピナコテーク その一 | トップページ | 美術館に乾杯! ミュンヘン アルテ・ピナコテーク その三 »