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2017.02.02

美術館に乾杯! ドレスデン美 その一

Img_0001     ラファエロの‘サン・シストの聖母’(1513年)

Img_0002     ボッティチェリの‘聖ゼノピウスの生涯’(1510年)

Img     コレッジョの‘聖母と聖ゲオルギウス’(1530~32年)

Img_0004     パルミジャニーノの‘ばらの聖母’(1628~1530)

海外の美術館が所蔵する美術品が公開される場合、かつてその美術館を訪問したことがあると懐かしさも手伝ってすぐ鑑賞計画ができあがる。2005年、西洋美で開催された‘ドレスデン国立美 世界の鏡’ではフェルメールの‘窓辺で手紙を読む若い女’にまた会えると思うと気がはやった。

2003年中欧を旅行したときはウイーン美術史美のほかにドレスデンのツヴィンガー宮殿で歴代のザクセン候が蒐集したすばらしい絵画コレクションをみることができた。鑑賞時間は2時間しかとれなかったが、必見リストをみながら興奮状態で館内をみてまわった。

リストのなかで特◎の絵はラファエロ(1483~1520)の‘サン・シストの聖母’、ウイーン美術史美にある‘草原の聖母’同様、この絵の前に立てたことは生涯の喜び。縦2.65m、横1.96mの見ごたえのある祭壇画でまずは聖母とのご対面となるが、その時間は意外に短く目は自然に下のほうにいる天使2人にむかう。ひとりは頬杖をつきもうひとりは顔の前に両手をおき、上目づかいで聖母のほうをみている。この姿がなんとも可愛い。

ボッティチェリ(1444~1510)の‘聖ゼノピウスの生涯’は元はひとつだった板絵が現在は3つの美術館に分散して飾られている。ドレスデン美にあるのは中央に死んだ子供をよみがえらせる聖人などの場面が描かれている4番目のパネル。1、2番目はロンドンナショナルギャラリー、そして3番目はメトロポリタンにある。

ここにあるコレッジョ(1489~1534)は‘聖母と聖ゲオルギウス’と‘聖夜’、ともに大作で息を呑むほどいい絵だった。ウフィッツイやロンドンナショナルギャラリーでも心を打つ名画をみたが、ここのコレッジョが最も印象に残っている。

コレッジョに影響を受けたパルミジャニーノ(1503~1540)の‘ばらの聖母’も忘れられない一枚、じつはこの絵はちょうどウイーン美術史美で開催されていた大規模な‘パルミジャニーノ展’でお目にかかった。聖母の手や幼子キリストの体が異様に長いのはマニエリスム調であるが、それに違和感をあまり感じさせないところがパルミジャニーノの魅力。

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コメント

9月に行ったヨーロッパ旅行の行き先はウィーン、ベルリン、ドレスデン、ポツダムです。ミュンヘン、フランクフルト、ケルンの美術館へは昔行ったことがあるのですが、旧東ドイツ側は統合されたばかりで、まだ旅行先としては不安があったため、将来必ずベルリンやドレスデンに行くと心に決めていました。(やっと夢がかないました。)
ドレスデンの目的はラファエロのシストのマドンナやジョルジョーネの眠れるヴィーナスの他、ボッティチェリの聖ゼノビウスの奇跡を見ることです。これでロンドンNG、メトロポリタンと合わせ4点全て完結しました。ドレスデンではクラーナハのハインリヒ敬虔公夫妻像や聖カタリナの殉教もいい絵だと思いました。帰国してからすぐ西美のクラーナハ展があったので、この画家のことはとてもよく理解できました。
ウィーンのカラヴァッジョでは残念ながらダビデは修復中であり、また、ボスはマドリードへ出張中、ファン・エイクのニッコロ・アルベルガディ枢機卿やヤン・ド・レーウの肖像は展示されていませんでした。ポツダムへ行ったのはカラヴァッジョの聖トマスの不信を見るためです。ベルリンでは勝ち誇るアモールとカラヴァッジョの宿敵バリオーネの聖愛と俗愛第一バージョンが並んで展示されていたのも、両者の比較ができて良い展示方法だと感じました。

投稿: むろさん | 2017.02.03 13:26

いづつやさんの企画を『週刊世界の美術館』のように楽しませてもらっています!

ドレスデン美術館は日本では比較的知られていませんが、大変重要な作品が多々ある美術館ですね。行ったことはありませんが思い出があります。

実は1974年にあった、国立西洋美術館の『ドレスデン美術館名品展』に父が行って、図録を買ってきたのです。歳がバレますが(笑)、当時中学生だった私は美術展には行きませんでしたが、初めて美術展の図録というものを見て、興味を覚えました。今はもう手元にありませんが、その後、図録を繰り返し見て、画家の名前や作品名を覚えました。

この旧東独時代の美術展には、なんとフェルメールの『窓辺で手紙を読む女』、レンブラントの『ガニュメデスの誘拐』、リベラの『聖女アグネス』、ベラスケスの『ある男の肖像』、プッサンの『横たわるヴィ―ナス』、その他ヴェロネーゼ、グイド・レーニなどの有名作品(当時は有名だとは知りませんでしたが)がずらっと出展されていました。

ご紹介のイタリア絵画は、さすがに素晴らしいものばかりです!ラファエロの『サン・シストの聖母』は圧倒的ですが、個別の画家としてはコレッジョの蒐集は世界一ではないでしょうか。ここにある『聖母子と聖人たち』を主題とした大作3点と夜景の『キリストの降誕』は見事な出来栄えだと思います。

パルミジャニーノの『バラの聖母』は、典型的マニエリスム様式を示す画家円熟期の名作ですね。画像でも大変美しいですが、実作の輝きはいかばかりかと想像します!

投稿: ケンスケ | 2017.02.03 20:52

to むろさん
豪華な美術館めぐりだったですね。お好きなボッテ
イチェリの聖ゼノピウスと対面されて満面の笑み
でしょうね。

羨ましいのはポツダムにあるカラヴァッジョの
‘聖トマスの不信’です。いつかむろさんの後につ
づきたいですね。そして、ベルリン美にも名画が
揃ってそうですね。ドイツではベルリンが一番の
狙い目ですが、また教えてください。

暖かくなりましたら、どっさりつめこまれた情報
をさかなに一杯やりましょう。ご連絡下さい。

投稿: いづつや | 2017.02.03 23:52

to ケンスケさん
1974年にもドレスデン美展があったのですね。
そのころはまだ普通の美術趣味でした。ご紹介の絵
はこれからいくつかとりあげます。

ラファエロの絵は下の天使が聖母を完全に食っている
感じです。
コレッジョの大作にもすっかり魅了されました。
そして、パルミジャニーノ、なんとウイーンに現れ
ましたので面食らいました。

ところが失敗したことがあります。英語版の図録を
買わなかったのです。ほかの美術館をまわり図録を
いくつも買いこんだためバッグやなにやらで腕が
痛くなり、これ以上持てない状態でした。今から
思うと悔いが残ります。

投稿: いづつや | 2017.02.04 00:56

ドレスデン美の‘サン・シストの聖母’は
 ローマにある、
フイレンツエにある、
ルーブルにある と、
情報が飛ぶ中
旧東ドイツはドレスデンにある と、旅行書で分かった時は嬉しかったわ。
現地で写真を見せながら所在地を捜しました。(館内でも・・。)
係員の太ったおばちゃんが、東洋から来た必死の形相の私を別室にも案内してくれました。
笑いながらもう1点フエルメールの‘手紙’を紹介して
‘ダス イスト オージナル・・・・’ 
‘ダンケ シェーン’


投稿: Baroque | 2017.02.06 12:38

to Baroqueさん
東ドイツ時代のドレスデンを訪問されましたか!
流石、お早いですね。

われわれは週刊‘ラミューズ 世界の美術館 
ドレスデン美’(講談社)をわきに抱えて館内を
かけまわりました。お陰で効率よく名画と対面
できました。

投稿: いづつや | 2017.02.07 00:09

 ‘流石’ ではないです。
統一後、すぐくらいでしたかしら・・・・

私の文章は、主語がわからず、述語がない時もあり
助詞が間違てて
形容詞と副詞がオーバーです。
御迷惑をおかけしてます。

投稿: Baroque | 2017.02.07 17:24

to Baroqueさん
こちらの勝手な読み方で旧東ドイツとありました
から、勘違いしてしまいました。気を使わせてすみ
ません。

投稿: いづつや | 2017.02.08 00:52

記憶がかなり曖昧デス・・・
2000年以後のような気もしてきました。
それでも
ソ連支配下の雰囲気が強く
人々の表情も硬く
これが共産国!
という印象でした。

投稿: Baroque | 2017.02.08 16:53

to Baroqueさん
2000年ころでしたか。われわれが出かけた
2003年はおっしゃるような社会主義の国だっ
たという雰囲気はあまり感じませんでした。

黒ずんだ教会が目に焼きついてます。

投稿: いづつや | 2017.02.09 00:51

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