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2017.01.15

美術館に乾杯! エルミタージュ美 その八

Img     マティスの‘ダンス’(1910年)

Img_0001     マティスの‘赤い部屋’(1908年)

Img_0002    マティスの‘画家の家族’(1911年)

Img_0004     マティスの‘会話’(1909年)

エルミタージュで最も印象に残る画家は3人いる。オランダが生んだ大巨匠レンブラント、そして近代絵画ではゴーギャンとマティス(1869~1954)。今日は60点も所蔵しているマティスをどんと4点並べてみた。

これまで日本の美術館で遭遇したマティス展は2004年西洋美で行われたもの一回だけ。回顧展は2度体験するのが理想なので普通はまだマティスに大接近したとはいえないのだが、エルミタージュですばらしい絵をどっとみたので色の魔術師といわれるマティスの神髄はつかんだ気でいる。

ご承知のようにマティスの初期のパトロンがシチューキン(1854~1936)。1900年にパリでマティスに会ったシチューキンは当時評価されてなかったマティスの絵に嵌った。色彩が主役のこの新しい絵をどんどん注文していく。そうして集めた作品は現在エルミタージュとモスクワのプーシキン美に展示されているが、エルミタージュには38点ある。

作品が展示されているのは3階、ここでみたマティスは生涯の思い出、最も心を打つのはやはり‘ダンス’、色の数は赤、青、緑の3つだけ。手をつないで踊る男女5人の飛翔するような動きがシンプルな造形と少ない色で描かれている。

マティスの画面は赤がとくに印象深い。その代表作が‘赤い部屋’、2012年国立新美で開かれた大エルミタージュ美ではじめて公開されたので同じ思いをした方も多いのではなかろうか。日本にはプーシキンにある‘金魚’もやって来た。となると、次にエルミタージュ美展があるときは‘ダンス’を期待したくなる。果たして、

‘画家の家族’はとても平板は絵。おもしろいのは中央でチェスを楽しんでいる子どもたちの床がこちらに滑り落ちてくるようにみえること。でも、暖炉の横で夫人が座ってるソファは安定している。マティスの赤好きがここでも表れており、男の子にも無理やり赤の服を着させている。これだとサーカスの道化師にみえてくる。

マティス自身と夫人をモデルにしたのが‘会話’、青を背景にして2人を横向きでしゃべらせる構図がなかなかいい。左の男性をみたとき瞬間的にパジャマ姿かいな、と思った。ベッドからおきてきて‘おはよう、朝食はできている’とかなんとかいってるのだろうか。

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コメント

ご紹介の四点を見ても、マティスがそれぞれの作品で特定の数少ない色の表現力を実験している感が強く伝わってきます。

『赤い部屋』は最初、赤ではなく青で塗りこめられていたのを変更したそうですね。妻が亡くなって、鬱になっていたシチューキンを癒す意味もあった、と以前テレビで見たことがありますが、確かに青い画面では全然印象が違ってくるでしょう。

『画家の家族』は、壁紙、絨毯、暖炉、花瓶などに使われている色彩が心を浮き立たせてくれるようです!

投稿: ケンスケ | 2017.01.24 20:36

to ケンスケさん
エルミタージュのマティスは特別な感じがします。
少ない色が赤にしろ青にしろ大きな力をもって
ますね。まさに色彩が主役の新しい絵画を堪能し
ました。

次にエルミタージュ美展が開催されるときは‘ダンス’
を期待したいですね。

投稿: いづつや | 2017.01.24 23:53

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