美術館に乾杯! エルミタージュ美 その十
エルミタージュ美は美術品を展示する建物自体が壮麗な宮殿。だから、いい絵画をみて高揚感が高められるだけでなく宮殿のなかのひとつ々の部屋に施された煌びやかな装飾やそこに置かれている宝飾品や調度品の数々が目を楽しませてくれる。
訪問してからもう17年も経っているので、どこから入ってどういう風に回ったのかは記憶が薄れている。それでも、5時間もここにいたのでサプライズの大きかった部屋はよく覚えているし、図録をみるとそのときの感動がよみがえる。
入館してすぐ‘おおー、すごい!’と思わず声を発したのが‘正面階段’、事前にビデオでみた通りのバロック風の見事なエントランス階段。これから絵画をみるというのにまるで舞踏会がおこなわれる大広間へ進んで行くような気分。
フランスのヴェルサイユ宮殿にいるような錯覚にとらわれるようなのが‘ブドア’(婦人用の私室)、キラキラ光る黄金の装飾と壁の赤が目にしみる。ウィーンのシェーンブルン宮殿にもこんな部屋があったが、こんな部屋をみせられると名画の鑑賞だけに時間を割くのはもったいない。ほかのツアー参加者と別行動をとりここに居続けたのはいい選択だった。
この宮殿での大きな収穫は‘孔雀石の間’、有名な観光名所となっているヨーロッパの宮殿をいろいろ体験したが、柱にこんな大きな緑色の孔雀石が使われた客間はみたことがない。これは一生の思い出。
王冠などの宝飾品も多くみたが、全部をみるには時間が足りなかった。そのため、図録に載っている有名な‘ゴンザ―ガのカメオ’(紀元前3世紀 アレキサンドリア)や遊牧民族スキタイ人がつくった‘黄金の鹿’(紀元前7~6世紀)にお目にかかれなかった。これは次回に楽しみ。
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