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2016.12.07

美術館に乾杯! ナショナルギャラリー その七

Img_2     ロランの‘海港、シバの女王の船出’(1648年)

Img_0003_3     カナレットの‘ヴェネツィアの風景’(1735~41年)

Img_0001     コンスタブルの‘干草車’(1821年)

Img_0002     ターナーの‘雨、蒸気、速度 グレートウエスタン鉄道’(1844年)

今年、カラヴァッジョ展を開催して美術ファンをおおいに楽しませてくれた西洋美、来年はなんと奇怪な画家アンチンボルトを登場させるという。会期は6/20~9/24、これは楽しみ。このメインイベントの前に行われるのがシャセリオー展(2/28~5/28)。

西洋美がもっている中期的な展覧会計画については何もわからないが、これからの回顧展にある期待が湧いてきた。フランスロマン主義のシャセリオー(1819~1856)という渋い選択があるのならクロード・ロラン(1605~1682)があってもおかしくない、と。ただし、ナショナルギャラリーにある‘海港、シバの女王の船出’がやって来る可能性はゼロであるが。

ロランの海港の絵はナショナルギャラリーとルーヴルに通っているとその魅力が体のなかに染みわたっていく。海港の情景は旅物語のはじまりであり、話のいっぱいつまった船旅がようやく終わり重圧や緊張感から解放される場である。ロランはなかなかのアイデアマンで海や船、そして太陽を使って物語を読み取らせる新しい風景画のジャンルを生み出した。

カナレット((1697~1768)というとヴェネツィアの絵、大きな美術館にはだいたい飾ってあるが群をぬいていい絵が揃っているのがナショナルギャラリー、何回目かの訪問でそれがわかり夢中になってみたことを昨日のことのように思い出す。水の都、ヴェネツィアは憧れの街、美しい鐘楼の姿をみるとまた出かけたくなる。

英国の人たちに人気の高いコンスタブル(1776~1837)とターナー(1775~1851)、その代表作‘干草車’と‘雨、蒸気、速度 グレート・ウエスタン鉄道’をみるたびにイギリス絵画もスゴイなと思う。東京都美でターナー展をみてから3年が経つ。次はコンスタブル展が実現することを心待ちにしている。西洋美、国立新美、東京都美、どこが夢を叶えてくれるだろうか。

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コメント

すばらしい風景画のラインナップですね!

『海港、シバの女王の船出』は、水面に反映する光が本当に美しいです。前景に描かれている赤い箱(ほかのクロード・ロラン作品にない)が絵に魅力的なアクセントを添えていると思います。

ターナー、コンスタブルの作品は、代表作の名にふさわしいものですね。特にターナーの『雨、蒸気、速度、グレート・ウェスタン鉄道』は、当時としては印象派を先駆するかのように光や蒸気を一番のテーマとして、まったく新境地ですね。おっしゃるようにイギリス絵画も素晴らしいと思います。

イギリスは、耳(音楽)と目(美術)は用をなさないとか、イギリス人は、芸術品を集めるのは得意だが創造することは苦手とか、どうして言われたりするのでしょう?

ラファエル前派だってとても魅力的なのに。とはいえ、ナショナル・ギャラリーにラファエル前派が欠落しているのは不思議ですね。

投稿: ケンスケ | 2016.12.08 20:20

to ケンスケさん
ルーヴルでじっくりみたおかげでロランに開眼し
ました。ナショナルギャラリーにもいい絵があり
ますね。このシバの女王の絵は大変魅了されます。
女王がどういうルートで船旅をするのかいろいろ
想像するのが楽しいです。

ラファエロ前派はイギリスの誇る宝なのでテート
ブリテンで展示するほうが相応しいという考え
なのだと思います。

投稿: いづつや | 2016.12.09 00:01

ヨーロッパの島国・後進国イギリスは、コンチネンタルは憧れだったそうです。特にイギリスは経済で成功した頃はイタリア(或はフランス)へ グランド・ツアーといって イギリスのお金持ちの若様達が、爆買いにいったそうですね。カナレットの絵が特にもてたようで観光名所の風景画は、よく売れたそうです。イギリスは文学者・詩人は伝統的に多いですが、音楽家や画家は、多くないですね。

投稿: Baroque | 2016.12.09 18:28

to Baroqueさん
カナレットの名画はナショナルギャラリーにたくさん
あるのはそのためなんですね。

イギリスの画家の絵がテートブリテンとナショナル
ギャラリーにずらっと並んでますが、心が動くのは
ゲインズバラやレノルズではなくてラファエロ前派、
ブレイク、そしてコンスタブル、ターナーです。

投稿: いづつや | 2016.12.10 01:27

ブレイクの絵は、例の、アンソニーホプキンズの怪演
‘ハンニバルシリーズ’ に登場しますね。
ゲインズバラやレイノルズは、見た事はある と、思ってますが・・・・???
イギリスは頑張ってました。
東ヨーロッパから中近東そしてアジアにまで
興味を示し過ぎました・・・・

投稿: Baroque | 2016.12.11 16:12

to Baroqueさん
ブレイクはイギリスの美術館以外ではほとんど
みたことがありません。手元に画集がありますが、
2015年12月にポストン美を訪問したとき
ブレイクもチェックリストに載せていたのですが、
姿を現してくれませんでした。

投稿: いづつや | 2016.12.11 23:40

ブレイクの画集は1冊持ってます。
(あっさり捜しだせました。)
大分前に評判になった 同朋舎の500円の‘週刊グレートアーチスト・ブレイク’です。
何かの講演会で馬越陽子先生が影響を受けられた と云ってられたのをきいた事があります。 

投稿: Baroque | 2016.12.19 21:45

to Baroqueさん
わが家にもグレートアーチストのブレイクの号が
あります。

美の巨人たちは印象派やルネサンスがお好きで、
イギリスのブレイクまでカバーしてくれませんね。
ドイツ絵画、イギリス絵画もやってほしいの
ですが、どうもその気配はないようです。残念!

投稿: いづつや | 2016.12.20 00:58

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