横須賀美所蔵品展 ‘日本画っておもしろい’!
西洋画でも日本画でも図録や画集を頻繁にみているのでどの絵が日本のどこの美術館にあるかはおおよそ頭に入っている。横須賀美が所蔵している作品についても片手くらいはすぐでてくる。
ここで10/1から今日まで日本画にスポットをあてた所蔵品展‘日本画っておもしろい’が行われていた。事前に情報をおさえていなかったので‘新宮晋の宇宙船’がうまい具合に呼び込んでくれた感じ。しかもラインナップがなかなか充実している。だから、いいオマケをもらったと喜んでいる。
これまで画集や展覧会でみたことがないものがいくつもある。橋本雅邦(1835~1908)の‘雷神図’が突然現れたのでびっくりした。広島にいるとき県立美で雅邦の‘風神雷神’をみたが、雷神だけを描いたものがあったとは!この雷神は地獄の番人のように怖い顔をしている。強風のなかつき進む姿をみてある絵が頭をかすめた。それは王子稲荷神社にある柴田是真の‘鬼女図’、怖い顔と疾走する様子がよく似ている。
鏑木清方(1878~1972)の‘江の島 箱根’は10年くらい前鎌倉の鏑木清方記念館でお目にかかった。清方が描く美人画には二つのタイプがあってこの美人はフィギュアの浅田真央ちゃんように目が大きくてぽっちゃり顔のほう。とても気に入っている。
森田曠平(1916~1994)の大原女を描いた‘阿弥陀堂’と出会ったのも大きな収穫。作品を所蔵する横浜美とか東近美、そして京近美が森田曠平展を開いてくれることをひそかに願っているが、その思いはかなわぬまま。一度でいいからたくさんみてみたい。
杉山寧(1909~1993)が24歳のとき制作した作品がこんなところにあった。‘翠陰’は水車から流れてくる水で遊んでいる少年や少女が印象深い緑色と安定した構図を使って生き生きと描かれている。同じ年の‘野’(東京芸大の卒業制作)にも子どもたちが登場するが、杉山は子どもが好きだったのだろう。
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