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2016.12.02

待望の‘小田野直武と秋田蘭画’!

Img          佐竹曙山の‘松に唐鳥図’(重文 18世紀)

Img_0001     小田野直武の‘不忍池図’(重文 18世紀)

Img_0002          佐竹曙山の‘蝦蟇仙人図’(18世紀)

Img_0003     司馬江漢の‘江ノ島稚児淵眺望’(19世紀 仙台市博)

サントリー美の今年の企画展で最も期待していたのは‘小田野直武と秋田蘭画’(11/16~1/9)、このなかにずっと追いかけていた作品がでている。それは前期(11/16~12/12)だけしか展示されない‘松の唐鳥図’、描いたのは秋田藩のお殿様、佐竹曙山(さたけしょざん 1748~1785))。

西洋画の陰影法や遠近法を取り入れて描いた風景画や花鳥画、いわゆる秋田蘭画は府中市美が精力的に開催している江戸絵画シリーズにちょくちょくでてくるのでだいぶ目が慣れてきているが、こうしてまとまった形でみるのははじめて。

この絵で目を惹くのはなんといっても画面を斜めにのびる大きな松の幹からでた枝にとまっている赤い鸚哥、おもしろいことに根津美の円山応挙展でも同じく松と赤の鸚哥を組み合わせた作品と出会った。赤の色の強さはともに尋常ではないが、絵全体のインパクトは曙山のものに軍配が上がる。松の力強さと極上の赤の絵の具を使って描かれた鸚哥、この構図はぐっとくる。

秋田蘭画のもうひとりの主役、小田野直武(おだのなおたけ 1749~1780)は秋田藩の藩士、代表作が‘不忍池図’(展示は前期のみ)、これは一度じっくりみているので軽くみていたが、解説のプレートに芍薬のつぼみのところに蟻がいると記されていたのですぐ単眼鏡を取り出してみた。前回は見逃したが2匹の蟻が姿を現わした。たまには説明文も読んでみるものだなと思った。横に秋田県の出身という男性がいて蟻を気にしていたので単眼鏡をわたしてあげた。

曙山の‘蝦蟇仙人図’をみるのは二度目、ここでハットすることに気づいた。なんと三足の蝦蟇と後ろの松の幹がダブルイメージになっている!松の表皮の菱形模様がそのまま蝦蟇の体のつぶつぶに連続し、よくみると蝦蟇は幹が変容した姿、これは気がつかなかった。曙山、なかなかやるじゃん、という感じ。

大きな収穫だったのが司馬江漢(1748~1818)、画集に載っていてまだお目にかかってないものが数点あった。とくに足がとまったのは‘江ノ島稚児淵眺望’、この展覧会は一回で終わりのつもりだったが後期に江漢がまた登場するのでそうもいかなくなった。

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コメント

いづつやさん、こんにちは。自分も行ってきました。
やっと「不忍池図」が観られて嬉しいです。予想以上の大きさでした。いづつやさんの お陰で蟻も2匹チェックできました。教えて頂かないと気付かないですね。美術館の遊び心で、他の作品の解説番号横にも蟻がいましたね。(笑)

御徒町駅から少し歩いた所に佐竹商店街という、映画やドラマのロケに良く使われる商店街があります。時々通るのですが、佐竹藩との所縁を知って勉強意欲が湧きました。

投稿: みどりがめ。 | 2016.12.06 04:35

to みどりがめさん
二人の代表作が並んでいたのは圧巻でしたね。
サントリーは今年はヒット連発です。鈴木其一と
秋田蘭画に拍手です。

御徒町駅にそんな商店街がありますか。来年は
美術館巡りとは別に街の散策をすることにして
ます。例えば王子神社へ行き柴田是真の絵をみる
とか、大宮で盆栽をみるとか。街並みや名所を楽
しみたいですね。

投稿: いづつや | 2016.12.07 00:27

いづつやさん、こんにちは。
王子稲荷神社の柴田是真、お正月 三が日と2月凧市 午の日にしか観られないので貴重ですね。自分は何故か、2年連続 大晦日の夜から王子の狐行列を見学しました。ゴール地点が王子稲荷神社なのですが、混雑で是真は観ていません。来年こそは。

身近な神社にも お宝がありますね。上野駅から少し歩いた所の下谷神社は、天井絵が横山大観の龍です。いつも社務所が閉まる時間に通るので、早く観たいなと思っています。

あと九段下にある千秋文庫は、佐竹藩ゆかりの所蔵品が多いそうなので、開館している日を狙って出掛けてみたいです。

投稿: みどりがめ。 | 2016.12.09 04:46

to みどりがめさん
またいい情報ありがとうございます。王子稲荷
神社にある柴田是真はいつ行ってもみられると
思ってました。年に4日しか公開しないんですね。
ふらっといかなくてよかったです。

下谷神社に横山大観が飾ってありますか。テイク
ノートしときます。九段下の千秋文庫は以前山種
がこの先にあったとき気にはなっていたところ
ですが、中に入ったことがありません。秋田蘭画
があるのなら訪問したいですね。

投稿: いづつや | 2016.12.09 17:05

今年のサントリーの展覧会は充実していますね。今年は、初めて全部の展覧会に行ってしまいました。(笑)

今回も、とても充実した展覧会でした。私も秋田蘭画をまとめて見たのは初めてでしたが、影響関係がよくわかる構成だったと思います。

『不忍池図』は前回サントリーで『覗いてびっくり江戸絵画』で見て以来でしたが、今回は蟻に気が付きました。ただ一匹しか見つかりませんでしたが。

『松に唐鳥図』は、鳥の赤色がアクセントになって色彩的にも大変魅力的な絵ですね。初めての実見でしたが、画集とは格段の違いでした。

なお不忍池近くにある横山大観記念館が国史跡・名勝に指定されるそうですね。近々行ってみるつもりです。

投稿: ケンスケ | 2016.12.12 22:15

to ケンスケさん
‘松に唐鳥図’を長年追っかけてましたが、ようやく
姿を現してくれました。この松の構図にハッとさ
せられますね。そして鳥の赤の強さ。

後期も司馬江漢をみるため出かけます。

投稿: いづつや | 2016.12.13 00:29

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