近代日本美術の煌き! 2005年(平成17)
村上豊の‘絵本 義経ものがたり 平敦盛’(講談社野間記念館)
源頼朝や義経を描いた画家というとすぐ安田靫彦を思い出すが、村上豊(1936~)も義経ものがたりを絵本にしている。数ある美術本のなかで絵本はごくわずか2冊、でも2006年に出版されたこの絵本はとても大事にしている。
そのなかで大変カッコよく描かれているのが若武者、平敦盛(たいらのあつもり 清盛の甥)、一の谷が義経の奇襲により陥落したため海から舟へ逃げようとしていた敦盛に源氏の武将、熊谷真実(くまがいなおざね)は‘敵に後ろをみせるのは卑怯だぞ、戻れ!’と叫ぶと敦盛は引き返してきた。だが、敦盛はまだ17歳、百戦錬磨の直実に勝てるわけがない。直実は自分の子どもと同じ年頃の若武者を助けてやろうとするが、すぐ味方の軍勢がやって来た。
直実は心根のやさしい男で‘どうせ討たれるのなら私が討って死後の供養をしてあげよう’と敦盛にいい首を刎ねる。そして、武装を解くと腰に錦の袋に入れた笛をさしていた。直実はハタと気づく。夜明けに敵陣から笛の音が聞こえてきたが、あの笛を吹いていたのはこの若武者だったのか!と
2004年10月、新潟県中越地震が起き錦鯉で有名な山古志村も大きな被害を受けた。原田泰治(1940~)の‘山古志の春’はこんな大地震が起こるとは思ってもみなかった2001年頃ののどかな村の光景を描いたもの。復興を願う泰治の気持ちがこめられている。
丸山直文(1964~)の‘path3’はアメリカの抽象表現主義の影響を強く受けた作品、にじみやぼかしの入った水面とまわりの地面にリズミカルにのびる曲線の道、その上を一人の男が元気よく走っている。水に映るこの人物と所々に立つ木が強く印象に残る。
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