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2016.11.23

すみだ北斎美術館 開館!

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Img     ‘隅田川両岸景色図巻’(1805年)

Img_0002     ‘遊亀図’(部分 1800年)

Img_0003     ‘寒山捨得図’(1826~33年)

すみだ北斎美術館が開館したので、初日に出かけてきた。これまでJR両国駅で降りて江戸東博に向かうのがお決まりのコースだったが、今回は地下鉄大江戸線に乗り両国駅で下車するとちょうど江戸東博の裏側にでてきた。ここから新しくオープンした‘すみだ北斎美術館’までは歩いて10分くらい。美術館はあまり大きくない公園の一角に建っていた。

時間は昼の1時半、建物の外に行列ができていたのでこれは出遅れたかなと思ったが、20分ほどでチケットが買えた。館内は勝手がわからないまま3階で降りて開館記念展のなかに入った。‘第2章’とあったので?という気がしたが、そのまま進むとうわさに聞いていた絵巻が現れた。

100年ぶりに発見されたこの‘隅田川両岸景色図巻’については、今回その情報にはノータッチだったし、北斎にこういう絵巻があったことも知らなかった。どういう経緯でこの美術館におさまったのか詳細はわからないが、とにかく奇跡がおこったことはまちがいない。2014年、再発見された歌麿の肉筆画‘深川の雪’を箱根の岡田美でお目にかかったが、そのときと同じようにワクワクしながらみた。

まずびっくりするのはコンデイションの良さ、発見されたあと修復に時間をかけたのだろうか、これまで北斎のこういう風景画で目を楽しませてくれたのは色がばっちりでている‘絵本隅田川両岸一覧’、これに対して‘景色図巻’は肉筆画で描き方はまったく違う。

目が釘づけになるのは川の水面が鏡のように岸のそばの家々や土手、両岸にかかる橋、そして川に浮かぶ舟のそれぞれの影を映しだしていること。これほど影が描かれている浮世絵はみたことがない。まるで西洋画をみているような感覚。

左端は新吉原でお楽しみの場面、大きな鯛を前にしてくつろぐ二人の男、その隣の部屋では女たちがにぎやかにおしゃべりし座はおおきに盛り上がっている。絵巻の長さは約7m、今日はこの前では大勢の人であふれかえっていただろう。本当にいいものをみた。

版画はお馴染みのものが多いので初見の肉筆のほうを長くみていた。収穫は親子亀、子亀を背中に乗せて小岩をよじ登ろうとする親亀の姿についみとれてしまった。北斎の観察力のすごさがこんな絵にもしっかり表れている。

‘寒山捨得図’は2005年、東博で行われた北斎展に出品されていた。このときは墨田区の所蔵と記されていた。それから11年のときが流れ、これからはこの美術館でちょくちょくお目にかかることができる。めでたい話である。

この記念展‘北斎の帰還’は来年の1月15日まで、作品は前期(11/22~12/18)、後期(12/20~1/15)で多くが入れ替わるので後期も足を運ぶかもしれない。

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コメント

私も初日の午後2時半ごろに行ってまいりました。10分ほど並んでから入れました。いづつやさんとすれ違ったかもしれません。(笑)

『隅田川両岸景色図巻』はチラシ等で宣伝されていたので、楽しみにしていました。水面に舟や建物の影が映っているのは、確かに西洋絵画の影響を感じさせて、新鮮でした。

ピーター・モース氏のコレクションを収蔵したとのことですが、画集などでは見られない作品がこれから出展されることに期待大です。

いずれにしても北斎の画業の幅の広さは、いつも感服します。

投稿: ケンスケ | 2016.11.24 22:13

to ケンスケさん
ニアミスでしたか!このところ北斎の話題が多い
ですね、オランダで発見された西洋画風の絵とか
ここに出品された‘隅田川両岸景色図巻’とか、

そして昨日は大阪のあべのはるかす美が大英博
物館との共同で北斎展を行うと発表しましたね。
北斎のまだ見ぬ作品と遭遇する機会が増えるのは
とても嬉しいことです。北斎に乾杯!が続きそう
ですね。

投稿: いづつや | 2016.11.25 01:18

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