近代日本美術の煌き! 2006年(平成18)
現役の日本画家で回顧展があったらすぐ駆けつけようと思っているにはほんの数人。そのひとりがNY在住の千住博(1958~)、TVの美術番組ではときどき見かけるが遭遇した回顧展はまだ一回しかない。ちょうど10年前山種美でアメリカのフィラデルフィアにある‘松風荘’という書院造の日本建築に飾られる襖絵が公開された。
この書院造は以前は東山魁夷の作品が飾られていたが損傷したため新たに千住が20面制作することになった。モチーフは千住の代名詞となっている‘ウォーターフォール’、日本人にとって滝というのは神を感じさせる自然の一部だから、こういう襖全体を使って表現された滝の光景は特別感激する。東近美で最新作を含めた千住展が開かれることをひそかに願っているが、実現するだろうか。
やきもののなかで人気の高い‘志野’、鈴木蔵(おさむ、1934~)は1994年荒川豊蔵に次いで二人目の‘志野’の人間国宝に認定された。今年82歳。運よくホテルオークラのすぐ側にある智美で行われた回顧展(2010年)とめぐり合い、たっぷりとした乳白色の志野釉を腹の底から楽しんだ。まさに志野の名人。
田口善明(1958~)の蒔絵作品には鯉や金魚、エビといったモチーフがなどがドーンと登場する。この大きく描かれた鯉はインパクトが強く、前衛舞踊の舞台美術に使われたらダンサーのパフォーマンスを引き立てそうなイメージがある。こんなキャラの濃い蒔絵はなかなかみられない。
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