近代日本美術の煌き! 1998年(平成10)
萩焼の人間国宝、三輪壽雪(十一代休雪 1910~2012)の鬼萩はじつにユニークな茶碗、この厚ぼったい白をみてすぐ連想するのは小さい頃駄菓子屋でよく買った砂糖が盛り上がるほどついたビスケット。また、せんべいにもこの白のようにしょうが入りの砂糖がたっぷりついたものがあった。こうした菓子はわかる人にはわかる。
土に粗砂をまぜて焼く鬼萩は壽雪が兄の十代休雪と一緒に開発したもの、足で土を踏むと粗い砂があるため皮膚が破れて血がでてくることがよくあるという。そういう作業をへて生み出されて茶碗には土のもつ力強さが白の優しさでくるまれているようにみえる。
名古屋にいるとき知多半島の常滑(とこなめ)に足をのばしたかったが、仕事が忙しくで実現しなかった。山田常山(三代、1924~2005)は常滑焼の急須作りの名人。小さいながら存在感のある急須、常山のこの急須は把手のかわりに環耳をふたつつけた現代的なものに仕上がっている。こういう急須でお茶を飲むとゆったりした気分になる。
奥田元宋の奥さん、小由女(1936~)の人形に強い関心をもっている。女性と蝶の組み合わせはとても絵になる。上村松園の作品に良い香りを放って蝶を誘う楚蓮香という美人を描いたものがあるが、そのひらひら舞う蝶が頭をよぎった。
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