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2016.10.07

近代日本美術の煌き! 1990年(平成2)

Img     片岡球子の‘富士に献花’

Img_0001     中島潔の‘風の色’

Img_0002     増田三男の‘金彩銀壺 山背’(東博)

片岡球子(1905~2008)は‘面構シリーズ’で世に知られるようになった画家であるが、もうひとつ目を楽しませてくれるものがある。それは山の絵。浅間山、桜島、妙義山、立山、そしてもっとも多く描いたのが富士山。

一体何点あるのか正確には知らないが、これまでお目にかかったのは十数点、どれも強いインパクトを放つ富士であるがユニークなのが裾野に花が配置されている‘富士に献花’、このタイトルについて画家はこう語っている。

‘富士山にね、「私は一生懸命描きますから、お礼に、私の描いた下手な着物を、一年に一回ずつお礼に差し上げますから、どうか私のお願いを聞き届けてください」と言って、お辞儀して。献花のように、富士山に花の絵を描いた着物を着せるつもりで、必ず富士の身体に花を描いていった’

中島潔(1943~)の童画をときどきみて心を和ませている。世の中には童画に長けた人はたくさんいると思うが、ひいきにしているのは中島潔と谷内六郎、今時は子どもが木に登って遊んでいる光景はまずみないので、‘風の色’のような絵をみると小さい頃が懐かしくよみがえってくる。木の枝ぶりは子どもがまたがったりちょっと眠るにはもってこいの形。じつにいい光景。

増田三男(1909~2009)は彫金の人間国宝、2年前にお目にかかった‘金彩銀壺 山背’は強い風の山背のなかを鹿がびゅーんと跳んでいる。この動きの描写に思わず足が止まった。彫金というとなにか重たいイメージだがモチーフの選択がそれをやわらげている。

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