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2016.09.17

待望の‘鈴木其一展’!

Img      ‘朝顔図屏風’(左隻 江戸時代後期 メトロポリタン美)

Img_0001    ‘富士千鳥図’(江戸時代後期)

Img_0002          ‘向日葵図’(江戸時代後期 畠山記念館)

Img_0003          ‘日出五猿図’(1848年 野崎家塩業歴史館)

5年前、千葉市美で酒井抱一展があったとき弟子の鈴木其一(1796~1858)の絵もたくさん登場した。それらを楽しみながら、次は鈴木其一単独の回顧展をみてみたいと強く思った。だが、同時にそういうことは実現しないだろうなという気もした。

ところが、‘鈴木其一、全部見せますよ!’と意気に感じる美術館が現れた。ミッドタウンのサントリー美、‘鈴木其一 江戸琳派の旗手’は9月10日に開幕し10月30日まで行われる。会期中に展示される作品の数は全部で120点くらい。いつものようにサントリー得意の細切れ展示なので全部みようとすると3回も出動しなくてはならないが、これまでみたものが多くあるので一度で終わり。

お目当てはメトロポリタンからやって来た‘朝顔図屏風’、会期中ずっと展示されるのでいつ出かけても楽しめる。日本での公開は過去2回あったが、幸運にも両方みた。最初が1994年名古屋市博で開かれた琳派展、そして次が2004年の東近美の琳派展、この朝顔図はMETにある日本画のなかでは人気No.1の絵らしい。以前BSプレミアムでこの絵が紹介され、大勢のアメリカ人が目を輝かせてみていた。

アメリカの琳派ファン同様はじめて名古屋でお目にかかったとき、朝顔の質感描写に200%KOされた。深みのある青の花弁のなかからでてくる光の美しいこと、そして見飽きさせないのが朝顔のバリエーションの多さ、花の大きさ、向きに変化をつけ、さらになす紺のような青にも微妙に違いがみられる。光琳の燕子花に比べ自由で生感覚の感じがあり現代のグラフィックデザインをみているような気分になる。3度もみれてこれほど幸せなことはない。

久しぶりの対面となった‘向日葵図’にも思わずうなった。江戸の後期に日本でもこんなすばらしい向日葵の絵があった。光琳も抱一もここまで近代感覚にあふれた静物画にはたどり着かなかった。鈴木其一の画才、恐るべし。

初見で収穫だったのは屏風絵の‘富士千鳥図’、目を釘づけにする作品がひょいと現れるのが回顧展のいいところ。個人コレクターの目だけを楽しませたものが多くの琳派ファンにも披露されるのだからたまらない。じっとみていたらいろいろな姿で描かれた千鳥が朝顔のバリエーションと構成と重なってきた。

‘日出五猿図’にも魅了された。猿が五匹、互いに手をつないで丸い太陽を囲んでいる。こんなアイデアもでてくるのだから其一の頭のなかは想定外に柔らかい。ダリ展のあとにこの絵をみたから敏感に反応した。

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コメント

鈴木其一展、すばらしかったです。

其一と言えばすぐ思い浮かぶ『朝顔図屏風』はもちろんですが、今回は、その隣に展示されていた「富士千鳥図」が特に強く印象に残りました。千鳥が群れで飛ぶ曲線が、朝顔の蔓の曲線に重なります。同じ装飾的図案ではないでしょうか。

「日出五猿図」の前で、私も足が止まりました。こんな楽しい、装飾的構図は、琳派の先人達とはまた違った趣ですね。

投稿: ケンスケ | 2016.09.18 21:54

to ケンスケさん
鈴木其一展で琳派の最後のピースがうまったという
感じです。今回は其一のいい絵が全部集まった充実
した内容でしたね。

一番の収穫は最後のところに飾ってあった‘富士千鳥図’
でした。こんないい屏風を個人がもっていたのですね。
後期は‘夏秋渓流図’と‘朝顔図’が並びますので豪華な
ラインナップになりますね。立派な図録が手に入った
のもよかったです。

投稿: いづつや | 2016.09.19 01:02

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