久しぶりのシャガール!
ヤーコブ・アガムの‘ダブル・メタモルフォーゼⅢ’(1969年)
20世紀の初頭から近代絵画の分野で新たな地平を切り開いた画家ですぐ思い浮かぶビッグネームというと、ピカソ、マチス、そしてシャガール。このなかで開催される回顧展の数が多いのはやはりピカソ、2年に一度くらいの頻度でどこかの美術館にピカソが並んでいるというイメージがある。
これに対して最近回顧展にお目にかかったという印象が薄れているのがシャガール(1887~1985)、これまでシャガールの展覧会は見逃すことなく足を運んできたが、最後にみたのは2007年に千葉市美で行われたもの。それから9年も経つ。
3年前、NYのMoMAを訪問したときとても残念なことがあった。シャガールの代表作‘私と村’が飾ってないのである。再会を楽しみにしていたのでがっくりきた。今はアンリ・ルソーの人気のほうが上なのかもしれない。日本でシャガールがみれなくなったのはこうしたことも影響しているのだろう。
今回のポンピドーセンター展に展示されたのは過去にもやって来た‘杯を掲げる二重肖像’、この絵がおもしろいのはベラとそのベラに肩車されたシャガールが下にみえるヴィテブスクの街にくらべて馬鹿でかいこと。まるで巨人ガリバーのよう。この巨人化のほかにシャガールは頭を胴体から切断して宙に浮かせたり顔を逆さにして首にくっつてたりもする。そんなファンタジックな世界にまたつつまれたい。
ブランクーシ(1876~1957)のブロンズ像‘眠る詩神’もクプカ(1871~1957)の‘垂直の面Ⅰ’もシャガールの絵同様、19年ぶりに再登場した。パリにいるような気分でとても楽しい。
ヤーコブ・アガム(1928~)のオプ・アート、‘ダブル・メタモルフォーゼⅢ’は現地でソトやヴァザルリと一緒の部屋の飾ってあったようなそうでないような、、錯視画のようにリズミカルに動く模様は表面にストロー状のものを色をつけて置きそれによってできた凹凸から生まれていた。明るい配色にも魅了され長くみていた。
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