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2016.07.29

近代日本美術の煌き! 1966年(昭和41) その一

Img_0003     加山又造の‘春秋波濤’(部分 東近美)

Img     小野竹喬の‘宿雪’(ベネッセコーポレーション)

Img_0001     山口蓬春の‘梅雨晴’(山種美)

本を多く読む人でもそれほど読まない人でもいつも傍に置いときたい本があるはず。美術書は普通の本とちがって読むというよりは見るものだが、数多く揃えている日本画家の図録ですぐみれるようにしているのは横山大観、菱田春草、上村松園、鏑木清方、東山魁夷、そして加山又造の6人。

加山又造(1927~2004)の画業のなかで華やかで装飾性にあふれた作品が生まれたのは1965年から1970年あたり。‘春秋波濤’は琳派の真髄を現代感覚で表現した傑作中の傑作、同じ画面に春の桜と秋の紅葉を一緒に描きそのまわりをシャープで柔らかい波が自在に曲面を変化させながらうねっている。宗達や光琳がこの絵をみたら裸足で逃げるにちがいない。

小野竹喬(1889~1979)の‘宿雪’は代表作のひとつ、みていて心が安まるのは余計なものがばっさりそぎ落とされすっきりした構図になっているから。ここに描かれている春になり雪がとけて木々の根元に穴があく光景を実際にみたことはないが、この絵によってこの現象を‘根開け’ということを知った。

昨日関東は梅雨があけた。このタイミングでピッタリの絵が山口蓬春(1893~1971)の‘梅雨晴’、蓬春は紫陽花の名手。とくに心を打つのが明快な色彩、まるで家のまわりに咲いている本物の紫陽花が目の前にあるよう。

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コメント

東京国立近代美術館には数々の加山又造作品がありますが、『春秋波濤』は最高傑作ではないでしょうか。女性や動物を描いた作品より琳派的作風の作品に惹かれるのですが、『春秋波濤』は一番魅力的です!

小野竹喬の『宿雪』は実見したことはないのですが、木の色が緑、紫、オレンジなど自由な色の使い方がいいですね! 単なる写実でない絵画的世界に惹かれます。

山種美術館には年に何回か行くのですが、山口蓬春の『梅雨晴』は、見たかどうかはっきりしません。緑と紫が鮮烈な印象ですが、特に紫のグラデーションがいいです。

投稿: ケンスケ | 2016.07.30 20:51

to ケンスケさん
加山又造の‘春秋波濤’にはしびれますね。スゴイ
画家です。
竹喬の‘宿雪’は‘昭和の日本画100選’(1989年)
に選ばれた名画中の名画です。

山口蓬春の紫陽花は何点かありますが、どれも紫が心
を打ちます。こういう色彩が強く印象に残る花鳥画を
描ける人はほかにいないですね。

投稿: いづつや | 2016.07.30 23:56

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