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2016.07.07

画集に載っていた男の肖像画に釘づけ!

Img_0002_2     ‘カール・カーナー’(1940年)

Img_2     ‘ドイツ人’(1975年)

Img_0001_2     ‘仔牛’(1960年)

Img_0004_3     ‘激流’(部分 2003年)

アメリカの国民的な画家といわれるワイエスに縁があったのは1回だけ。日本で亡くなる1年前に回顧展が開かれた。場所は渋谷のBunkamura.、いつも高い期待を寄せているBunkamuraでの開催だから夢中になってみた。そのとき購入した図録に作品だけでなくワイエス物語が概観されているが、いつものように論考は読まずそこに載っている作品の図版をみているだけ。

ワイエスの情報はもうひとつ得ていた。2013年の6月に放送された‘美の巨人たち’に福島県県美が所蔵する‘松ぼっくり男爵’がとりあげられ、ほかの作品もいろいろ登場した。そこでみた3点が嬉しいことにティッセン・ボルネミッサに展示されていた。‘カール・カーナー’は個人蔵のテンペラ、そして水彩の‘ドイツ人’と‘仔牛’、作品は頭のなかに入っているからここで運よく遭遇した喜びが腹の底からこみあげてくる。

ワイエスは農場でくらすカーナー夫妻をずっと描き続けた。いかにもドイツ人という顔つきのカール、本人と今対面しているような錯覚を覚える。カールの妻のアンナの絵もみたかったが、これは一枚もなかった。残念!‘ドイツ人’はカールが76歳のときのもの。この軍人姿をみるとあの屈強なドイツ兵のイメージがよみがえってくる。そして何度も通って描いた‘仔牛’、牛は農場にとっては欠かせない主役、ワイエスのやさしい心根がうかがえる。

風景画にもBunkamuraに出品されたものがあった。ワシントンナショナルギャラリーのコレクション、‘雪まじりの風’と日本の丸沼芸術の森にある‘霧の中にあるオルソンの家’、そして大きな収穫だったのが2003年に描かれた‘激流’、図録に収録されたサイズの関係で残念ながら画面全部でなく中心部分だけしかおみせできない。川の底にある大きな岩をすべるようにして水が流れ下っている。これはワイエスの静かなイメージからは対極にある動感いっぱいの作品。まるで生き物みたいな水の動きに200%圧倒された。

これでスペイン旅行の感想記は終わりです。お楽しみいただけたでしょうか。ボス、ラ・トゥール、そしてワイエスのいい絵を皆さんと共有できたことを心から喜んでいます。

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コメント

『激流』、いいですね! 単なる写実ではなく、水流のダイナミズムが描かれている絵画的世界に惹かれます。

糸のような長く白い線も、生き生きとしたリズムを与えていると思います。

プラド、ティッセンでの充実したご報告、楽しく読ませていただきました。ありがとうございました! 一日の内にルネサンスから現代まで本当に多数の名画をご覧になられたのですね。お疲れさまでした。

投稿: ケンスケ | 2016.07.10 20:58

to ケンスケさん
‘激流’の画面全体をおみせできないのは残念ですが、
この画像でも十分にその流れの激しさがみてとれる
と思います。大収穫の一枚でした。

今回のマドリッドでは生涯の思い出となる美術館巡り
が実現しました。ケンスケさんからは事前に情報を
沢山いただきましたので、そのお礼もかねて目いっ
ぱい感動した作品を紹介しました。本当にお世話に
なりました。

投稿: いづつや | 2016.07.11 00:09

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