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2016.06.24

究極のボスワールド ‘快楽の園’!

Img      ‘快楽の園’(1490~1500年)

Img_0001      巨大な鳥、ガラス球やムール貝になかにいる男女

Img_0004     ディズニーのパレードに登場するような巨大植物の山車

Img_0003       男たちによる組体操のパフォーマンス

Img_0002    ‘地獄’に描かれたボスの自画像といわれる木男

プラドが誇る名画のなかで時間があればいつまでもみていたくなるのがボスの最高傑作‘快楽の園’、いつもは1階の56A室に飾られているが、現在は回顧展のためヘロニモ館の展示室で多くの美術ファンの目を楽しませている。

こうした回顧展が開かれボスの作品がたくさん集まってくると、作品毎の完成度の具合や魅力の大きさがおのずとわかってくる。‘快楽の園’がやはり一番いいな、と思うのはこの三連祭壇画の画面が驚くほど明るくてモチーフの写実描写が優れているから。

これはとても惹きつけられるダリの夢の世界が群を抜く写実力によって表現されているのと同じ理由、現実にはありえない奇怪な景色を描くのに並みの描写力だったら一瞬はぎょっとするかもしれないがすぐ違和感のほうが頭をもたげいい気持にはならない。

中央パネルの画面いっぱいに裸の男女が大勢登場する‘快楽の園’、とにかくみてて楽しい。人物のほかに動物、鳥、魚、そしてイチゴなどの果物やサボテンを連想させるような巨大な植物、そしてこれらを合成してつくった新種?の生き物、もう動物図鑑、植物図鑑に載っているものを全部結集させている感じ。

とくに目を奪られるほど美しいのが真ん中の部分、愛し合う男女がカボチャのようなものやガラスの球、ムール貝のなかに入っていたり、人間より大きな鳥たちが色鮮やかな羽を誇らしげにみせ気取ったポーズをとっている。

また、画面の上のほうには巨大サボテンを思わせる植物に飾り物をいっぱいつけた構築物が5つどーんと建っている。まるでデイズニーが演出するファンタジーパレードに遭遇した気分。その下に目をやると女ばかりがいる‘青春の泉’のまわりを男たちが馬やラクダにまたがりぐるぐるまわっている。快楽は果てしなく続くということだろう。こういう快楽には毒がない、だからリラックスしてみられる。

その輪の左のほうでおもしろいパフォーマンスをしている男たちがいる。それは怪我が多いため中止の通達がでている中学校の運動会の組体操、そしてその横では植物の枝で宙づり演技の真っ最中。ここにもあそこにも思わずじっとみつめてしまう光景ばかり。

右のパネルにはあまり快楽にふけると地獄で恐ろしい目にあうよという教訓が描かれている。真ん中でじっとこちらをみている青白い顔の男は‘木男’、ボスの自画像といわれている。その胴体は卵の殻でそこに枯木の足がついている。

この木男をみつめながら、‘あなたの描いた奇怪な世界を堪能させてもらいましたよ!’と心のなかでつぶやいた。

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コメント

『快楽の園』はシュールでありながら、左パネルと中央パネルは色彩的に見ても非常に美しい作品ですね! 

中央パネルに溢れる赤い実、イチゴ、サクランボ、その他赤い果実などは淫欲の象徴ということですが、この作品は七つの大罪の中でも、淫欲の罪をハイライトにしているのですね。

とはいえ、この作品でもボスの遊び心を大いに感じて、見ていて楽しいです! 

同時に無数のイメージの中には、謎も多いですね。たとえば、中央パネルで、お尻から花が咲いている人の解釈については、本にも叙述されていません。ボスは象徴が多く、永遠に謎として残るイメージもあるのでしょうね。見る人一人一人に解釈が委ねられるのでしょうか。

投稿: ケンスケ | 2016.06.25 19:12

いづつやさんこんばんわ
ボッシュ大好きのBaroqeです。
眠い目こすぎながらですが、お知らせいたします。

6月24日(金)~29日(水)まで7:00p.m. 
最終日5:00p.m.まで個展を催してます。
有楽町朝日ギャラリー (有楽町マリオン11階)

お知らせまで・・・・。
どうぞ よろしく・・・・。

投稿: Baroque | 2016.06.26 00:22

to ケンスケさん
久しぶりに‘快楽の園’をじっくり隅から隅まで
みました。画面の明るさは特筆ものですね、
あらためて楽しい絵であることを実感しました。

動物、魚、鳥、植物が一杯でてくるのは若冲の
‘動植綵絵’を連想させます。ちがいはボスはモチ
ーフになんらかの意味をこめているところですね。

またモチーフをいろいろ合成してこの世には存在し
ないものを創作する、どうしてこんな想像力がボス
の頭のなかで次々と膨らんでいったのでしょうか、
興味は尽きません。

投稿: いづつや | 2016.06.26 00:29

to Baroqueさん
個展開催はすばらしいですね。どんな絵なのか
楽しみです。

投稿: いづつや | 2016.06.26 11:54

 快楽の園 が最高傑作だということは、プラドで再確認しました。同意ですね。

投稿: 山科 | 2016.09.24 20:05

to 山科さん
回顧展が行われると代表作が一緒にみれますから、
そのなかでどの絵がベストワンかよくわかります。

ボスの場合、‘快楽の園’が群をぬいていいですね。
明るさ、密度の濃さ、久しぶりに時間をかけてじっ
くりみました。

投稿: いづつや | 2016.09.25 01:37

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