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2016.06.26

ご機嫌な風俗画の揃い踏み!

Img     ‘女占い師’(1630年代 NY メトロポリタン美)

Img_0001  ‘クラブのエースを持ついかさま師’(1620年代後半 キンベル美)

Img_0002‘ダイヤのエースを持ついかさま師’(1636~38年 パリ ルーヴル美)

カラヴァッジョとラ・トウールに大変魅了されているのは風俗画の傑作を残してくれたから。二人は生まれつきの悪人がいかさまをして能天気なカモからお金をまきあげる場面を絵にしている。カラヴァッジョより20年くらい後に生まれたラ・トウールが描いた見事な絵3点が今回一緒に飾られている。こんな豪華なコラボレーションが実現したなんて夢のよう。拍手々!

部屋の中央正面に昨年12月メトロポリタンでみたばかりの‘女占い師’、そして、左右の壁にはアメリカ、フォーワースのキンベル美とルーヴル美が所蔵する‘いかさま師’が向かい合っている。過去開催された回顧展、例えば1972年のオランジュリー美でも1997年のグラン・パレでもこんな展示はなかった。すばらしい。

‘女占い師’は昼の光があたっている3人に視線が集中する。左の占い師の老女、アクの強い顔だから光の量を少なくして中和させている。この画面で最も華があるのは手を腰にあて気取ったポーズをとってる青年、でもこの若者はどうみても女性のイメージ、この人物をながめているよりずっとおもしろいのが隣の女、どうも目に落ち着きがない。

それもそのはず、下に置いた手に刃物をもち若者の金時計を切り取ろうとしている。若者がそれに気づかないように老女と左の女2人も自分たちのほうの関心を向けさせようとしている。老女は‘若いの、今年はいいことがあるよ。お前さんが好きになった女はどうやらあんたに決めたようだ、しっかり愛してやるんだよ、いいかい’とかなんとか大きな声でしゃべっているのだろうか。

そんあ占い話にほわっとなっていては悪党どもに身ぐるみはがされてしまう。時計をとられるは財布まで抜かれるは散々な目にあう。ところが、厄介なことに放蕩息子にはつける薬がない。だからいくら金があってもすぐなくなる。こんな話は今でもごろごろある。

‘いかさま師’は先に描かれたのはキンベル美のもの、こちらは左のいかさま師が後に回した手にもっているカードがクラブなので‘クラブのエースを持ついかさま師’と呼ばれ、ルーヴルにあるのはダイヤに変わっているので‘ダイヤのエースを持ついかさま師’となっている。

サイズ的にはキンベルのほうが縦が少し短い。人物の服装などをみるとキンベルのほうが右の若者の衣装は見栄えのする装飾が施され、また中央で怪しい目つきをしている女の横にいる召使風の女も赤い衣装を着るなど全体的に綺麗に着飾っている感じ。

どちらも圧倒的な存在感を放っているのは視線を右に寄せた真ん中の女。じっとみていると最近CMでよくみかけるモデルの菜々緒がこの役を演じたらピッタリはまるだろうなと勝手に妄想した。

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コメント

今回のラ・トゥール展は、歴史的なものだったようですね。欧米の美術館は、お互いの特別展のために無料で作品をレンタルし合うそうなので、こうした豪華特別展が実現するのでしょう。

ラ・トゥールの世界は静かですが、『女占い師』と二点の『いかさま師』は、もっぱら目の動きによって、緊迫感のあるドラマを演出していますね。

キンベル美術館で一度『クラブのエースを持ついかさま師』を見ましたが、改めてルーヴルの作品と比べると、キンベル作品は赤色のシンフォニーといった感じで、美しい赤がより目立ちます。

赤は、ラ・トゥールを代表するような色ですね。

投稿: ケンスケ | 2016.06.27 22:32

to ケンスケさん
キンベルのいかさま師と対面したときは天にも昇る
ような気持でした。時間をかけてルーヴルとの違い
を探しましたが、キンベルのほうがいいですね。
隣の方も同意見です。

おっしゃるように赤の量がキンベルのほうが多いの
で華やいだ感じになります。そして、キンベルの
画面は上のほうが切れており画面いっぱいに人物が
描かれているのでインパクトが強いです。

投稿: いづつや | 2016.06.27 23:43

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